4大銀行、中銀の利下げに追従
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豪準備銀(RBA)が18日、政策金利を0.25ポイント引き下げて4.10%としたことに追従して、オーストラリアの4大銀行はいずれも同日、住宅ローン金利を引き下げると発表した。オーストラリアでは持ち家率が高い上に、金利変動型住宅ローンが主流であるため、利下げは減税と同様の景気刺激効果が期待できる。
住宅ローン金利の引き下げ幅は、いずれも政策金利と同じ0.25%。引き上げの日程は、コモンウェルス銀とANZ銀、ナショナル・オーストラリア銀は28日から、ウェストパック銀が3月4日からを予定している。
英紙「ガーディアン」のオーストラリア版(電子版)によると、平均的な金利変動型住宅ローン(返済期間25年、利率6.32%)では、利率が0.25ポイント低下すれば、1カ月当たりの返済額は、借入額60万豪ドル(約5,800万円)の場合で92豪ドル(約8,900円)、75万豪ドルの場合で115豪ドル、100万豪ドルの場合で154豪ドル、それぞれ減るという。
金融商品の比較サイト「キャンスター」によると、最大都市シドニーがあるニューサウスウェールズ州の住宅ローンの平均借入額は77万9,239豪ドル。契約によって差はあるものの、例えばシドニー郊外で金利変動型ローンを支払いながら生活している世帯は、日本円にして平均でおおむね月1万円前後、手取りが増えることになる。
オーストラリアでは全世帯のおおむね3分の1が①賃貸生活者、3分の1が②住宅を現金で一括購入またはすでにローンを支払い終えた人、3分の1が③住宅ローンを支払い中の人と言われている。③の世帯にとっては、利下げが家計に直接与える影響は大きい。
このため、一般的に利下げは減税と同様にオーストラリアの幅広い層の財布の紐を緩め、個人消費を刺激する効果が期待できる。また、借り入れコストも低下するため、設備投資を下支えして企業活動を活性化させ、景気を下支えする可能性がある。
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