カタール航空の計画、連邦政府が承認
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カタール航空がヴァージン・オーストラリア航空に25%出資する計画について、オーストラリア連邦政府は26日、承認すると発表した。外資投資審議委員会(FIRB)が先にゴーサインを出していて、ジム・チャーマーズ連邦財務相も「航空業界の競争拡大が期待される」と追認した。
今回の出資により、カタール航空はヴァージン・オーストラリア航空と共同で、東部シドニー、南部メルボルン、北東部ブリスベン、西部パースの4都市とカタールの首都ドーハをそれぞれ結ぶ便を新たに週28便開設する。
カタール航空は単独で同じルートの運航許可を申請していたが、2023年にオーストラリア連邦政府が却下していた。政府の決定には、競合のカンタスを守る意図があったのではないかと批判を受けた。今回、ヴァージンへの出資という形でようやく承認が得られた格好だ。
移民の多いオーストラリアでは、欧州の主要都市への里帰り需要が大きい。ただ、距離が長いため途中で給油が必要になることから、東海岸からの直行便はいまだに実現しておらず、欧州へ飛ぶには中東を経由するルートが多い。しかし、国内のエアラインでは、このルートは最大手カンタス航空が独占している。カタール・ヴァージン連合の参入により競争が増え、航空料金が安くなる可能性がある。
ヴァージン・オーストラリア航空は現在、オーストラリアの航空業界でカンタスに次ぐ2番手。英ヴァージン・グループ系の格安航空会社「ヴァージン・ブルー」として2000年に創業したが、社名変更や主要株主の大幅な入れ替えなどを経て、2020年にコロナ禍で破たんした。任意管理手続きに入り、米ファンドのベイン・キャピタルが100%の株式を買収。事業を継続している。
■ソース
Qatar Airways’ stake in Virgin Australia(The Hon Dr Jim Chalmers, Treasurer)