「事業継続に重大な不確実性」と表明
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経営破たんの危機に瀕しているオーストラリアのカジノ大手「スター・エンターテイメント・グループ」は3日、オーストラリア証券取引所(ASX)で同社株(ティッカーシンボル:SGR)の取引が停止されたと発表した。
スターは2024-25年度上期(24年7月〜12月)の半期決算を2月28日の期限までに提出できなかった。このため、ASXの規定によって取引停止の処分を受けた。半期決算がASXに受理され、ASXが取引再開を決定するまで、取引停止は続く。
スターは、シドニーやゴールドコーストのカジノ統合リゾート(IR)「ザ・スター」などを運営している。しかし、マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した問題でニューサウスウェールズ州カジノ委員会から命じられた罰金や、法廷費用などで巨額の現金が流出。24年末時点で手元の現金はわずか7,900万豪ドル(約77億円)まで減っていた。
資金繰りの悪化が表面化した1月はじめの時点で、3月末まで持たないとの見方が浮上していた。破たんを織り込んだ株式市場では、株価が派手に乱高下するマネー・ゲームの様相を呈していた。取引停止直前の2月28日には、前日比15.38%安の0.11豪ドルと「紙切れ同然」の水準まで落ち込んでいた。
スターは3日の声明で「負債の再融資を実現し、流動性を確保できるまでは、2024-25年度上期の決算書を発表できる状況ではない」と指摘した。その上で「グループが事業を継続できるかどうかについて、依然として重大な不確実性がある」と表明した。
■ソース
1HFY25 FINANCIAL REPORT, ASX Announcement(The Star Entertainment Group)