サイクロン「アルフレッド」、6日夜から7日朝ごろブリスベン上陸へ 洪水や暴風に警戒

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クイーンズランド州南東部の人口密集地への直撃は約50年ぶり

4日午前10時時点のサイクロン「アルフレッド」の針路予想図(Bureau of Meteorology)

 オーストラリア気象局(BOM)が4日発表した予報によると、「カテゴリー2」のサイクロン「アルフレッド」は同日午前10時現在、オーストラリア北東部のクイーンズランド州ブリスベンの東方約630キロのタスマン海上にある。中心付近の最大瞬間風速は時速130キロ(秒速36メートル)。時速13キロのゆっくりしたスピードで東南東に進んでいる。

 アルフレッドはこの後、減速して針路を西に変える見通し。4日夜にはクイーンズランド州南東部に接近し、現時点の予報では6日夜から7日朝にかけてブリスベン周辺の海岸に上陸する公算が高いという。

 サイクロンは通常、クイーンズランド州北部から北部準州、西オーストラリア北西部にかけての遠隔地に上陸することが多い。公共放送ABC(電子版)によると、サイクロンがクイーンズランド州南東部からニューサウスウェールズ州北東部を最後に直撃したのは1974年。以来、実に51年ぶりの非常に稀なケースだという。

 今回、アルフレッドが上陸すると予測されているエリアは、オーストラリア第3の都市ブリスベンやゴールドコーストなど人口が密集する都市圏。在留邦人も多い。人口が希薄な遠隔地への上陸と比べて、災害の規模がはるかに甚大となる可能性がある。河川の氾濫による大規模な洪水、強風による建物やインフラのダメージ、高波や高潮による住宅の破壊や砂浜の侵食などに警戒する必要がある。

7メートルの大波に乗る猛者も

 州南東部の沖では、すでに最大波高7メートルを観測している。ABCはニュースサイトのブログで、ゴールドコーストの世界的に有名サーフスポット「キラ」で、サーファーが人の背丈の3倍から4倍もあるビッグウェーブに乗る動画を投稿している。ただ、素人は波打ち際に近づくのも危険な状態だ。

 ABCによると、サイクロンの上陸に備え、ゴールドコーストでは警察がボートに住む215人の市民に安全な場所に移動するよう注意を促している。ブリスベン南東部レッドランド・シティ市役所は、ノース・ストラトブローク島などいくつかの有人島の住民に対し、今のうちに避難するかどうかを決断するよう呼びかけている。サイクロンが直撃すれば、停電となり、内陸部への移動手段が遮断されて孤立化する可能性があるためだ。

 サイクロンは、インド洋や南太平洋で発生する暴風雨を伴う熱帯低気圧。日本近海の台風や、北大西洋や北太平洋東部で発生するハリケーンに相当する。

 カテゴリー2は、サイクロンの勢力を示す5段階中下から2番目の指標。BOMの定義によると、最大瞬間風速は時速125〜164キロ(秒速35〜46メートル)で「建物の屋根や構造物、キャラバン(トレーラー・ハウス)が破壊される可能性があり、作物や樹木に著しい打撃を与え、停電の恐れがある」とされる。

■ソース

Tropical Cyclone Advice Number 5, Issued at 10:45 am EST on Tuesday 4 March 2025(Bureau of Meteorology)

Tropical Cyclone Alfred live updates: System looking more likely to make landfall in Brisbane’s northern suburbs(ABC News)

Tropical cyclone categories(Bureau of Meteorology)

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