ブリスベンの北、ブライビー島付近で停滞

サイクロン「アルフレッド」から変わった温帯低気圧は、オーストラリア東部夏時間8日午前11時(東部標準時=クイーンズランド州時間午前10時)現在、ブリスベン北方のブライビー島付近の半径20キロ以内にあり、ほとんど動いていないと見られる。今後、クイーンズランド州内陸部をゆっくりと西に進む見通しだ。
アルフレッドは陸地に接近するとともに力を弱め、同日朝、ブリスベン東方のモートン湾諸島に上陸する直前に温帯低気圧に変わっていた。
午前11時現在の中心気圧は1008ヘクトパスカル、中心付近の最大瞬間風速は時速85キロ(秒速24メートル)。低気圧の本体周辺の風はピークを過ぎたものの、南側に位置する大型の高気圧から低気圧に向かって湿った空気が吹き込んでいる。
このため、週末にかけて、クイーンズランド州南東部からニューサウスウェールズ州北東部では激しい雨が予測されている。ニューサウスウェールズ州北東部の主要河川では、これから水位が上昇して氾濫する恐れもあるため、引き続き厳重な警戒が必要だ。
英紙「ガーディアン」(オーストラリア版)によると、アンソニー・アルバニージー首相は「低気圧に格下げされたことで安堵してはならない」と述べ、今後も大雨や洪水などの災害への警戒を緩めないよう呼びかけた。
濁流にのまれ1人行方不明
公共放送ABC(電子版)によると、ニューサウスウェールズ州北東部ミーガンでは7日午後、男性(61歳)が濁流にのまれて行方不明となっている。強風のためヘリコプターの飛行が困難なため、捜索は難航しているという。
報道によると、クイーンズランド州内では少なくとも396人が34の避難所に身を寄せている。ニューサウスウェールズ州では7日の時点で2万9,000世帯に避難命令が出ている。
クイーンズランド南東部では約29万世帯、ニューサウスウェールズ州北東部では約4万2,000世帯がそれぞれ停電となっている。ニューサウスウェールズ州のペニー・シャープ・エネルギー相は「作業員の生命を危険にさらすことはできない」と述べ、送電網の復旧には数日かかるとの見方を示した。
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