「誰も勝てない選挙」へ一直線! オーストラリア世論調査

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ハングパーラメント不可避か

 5月3日、10日、17日のいずれかの土曜日に実施されることが確実となったオーストラリアの次期連邦選挙。2大政党はともに過半数に届かず、大混戦となる可能性がますます高まっている。

 調査会社「ニューズポール」が3月3〜7日に実施し、全国紙「オーストラリアン」10日付が掲載した世論調査結果によると、選好票配分後の実際の選挙結果に近い「2大政党別支持率」は、中道左派の与党労働党が2月10〜14日の前回調査と変わらず49%、最大野党で中道右派の保守連合(自由党、国民党)が同51%だった。

 オーストラリアンによると、ニューズポールの2大政党別支持率がそのまま選挙結果に反映されたと仮定すれば、「スウィング」(前回選挙と比較した得票移動率の指標)は労働党に対してマイナス3%となる。あくまでも卓上の計算だが、この場合、定数151の連邦下院で現有77議席の労働党は7議席を失って70議席と過半数(76議席)を大幅に割り込む。

 しかし、現有53議席の保守連合が仮に労働党が失った7議席すべてを奪えたとしても、60議席と過半数には及ばない。

 このようにどの勢力も過半数に満たない「ハング・パーラメント」となった場合、①最多の議席数を得た「比較第一党」、または②次に多い議席数を獲得した党、のどちらかが少数勢力の閣外協力を得てより多いグループを形成すれば、政権を樹立できる。

 つまり、2大政党がともに過半数を割り、かつ拮抗すれば、政治信条や政策が近い少数野党や無所属議員を取り込む「数合わせ」の勝負となる。いずれにしても、これらの少数勢力がキャスチングボートを握り、与党は非常に不安定な議会運営を強いられる。

■ソース

PM lifts but ALP, Libs hung out dry(The Australian)

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