未整備区間「ミッシング・リンク」埋める

オーストラリアの連邦労働党(中道左派)政権は13日、シドニーの西郊に新しい鉄道を整備する計画を発表した。5月17日までに実施される次期連邦選挙で再選を果たした場合、10億豪ドル(約940億円)の予算を投じて新線を建設。2026年に開港する西シドニー国際空港(WSI)へのアクセス向上を図る(マップ参照)。
アンソニー・アルバニージー首相、キャサリン・キング連邦インフラ・交通・地域開発・地方政府相らが連名で発表した声明によると、次期選挙で労働党政権が再選された場合、新空港の南に建設中の新都市「ブラッドフィールド・シティ・センター」(旧エアロトロポリス)から、直線距離で約7キロ離れた南西郊外のレッピントンと、同約17キロ離れたマッカーサーまで新鉄道を整備する。それぞれ2つの路線を建設するのか、1本で2駅を結ぶのかなど詳細は明らかではない。
新空港周辺では、完全自動運転の新鉄道システム「シドニー・メトロ」の「西シドニー空港線」が、北西郊外のセント・メアリーズからブラッドフィールド間約23キロで建設中。開業は新空港の開港に間に合わず、27年にずれ込む見通しだ。
新空港の北側では、セント・メアリーズで既存の鉄道と接続する。このため、西部の中心都市パラマタ経由で大回りする形にはなるものの、シドニー市内中心部から公共交通機関によるアクセスが可能となる。しかし、南側では南北を結ぶ鉄道網が整備されていないため、南西郊外からアクセスできない「ミッシング・リンク」(未整備区間)となっていた。
■ソース
Albanese Labor Government green lights new rail links to Bradfield(Prime Minister of Australia)