愛国心訴え、選挙戦突入へ

米国のドナルド・トランプ大統領は12日、輸入する鉄鋼製品とアルミニウムついて、オーストラリアを除外せず一律25%の関税を発動した。これに対して、オーストラリア連邦与党労働党(中道左派)のアンソニー・アルバニージー首相は同日のラジオ番組で「私たちにできることは、オーストラリア製品を買うことだ」と述べた。
アルバニージー首相は一部の国で広がっている米国製品のボイコット運動については否定しつつ、「ソフトドリンクは、アメリカ製品ではなくバンディー(ショウガ原料のオーストラリア製炭酸飲料)を買えばいい」と国産品の購入を呼びかけた。
いわゆる「トランプ関税」も逆手に取って国民の愛国心に訴えかけ、目前に迫った選挙に向けて支持率を浮上させたい−−。現状の支持率では過半数獲得が難しいアルバニージー首相のそんな胸中が読み取れる。
鉄鋼・アルミ関税によるオーストラリア経済全体への影響は軽微と見られる。首相は米国への報復関税を見送るが、影響を受ける国内の鉄鋼・アルミ産業に対しては総額7億5,000万豪ドル(約705億円)の補助金を支給する方針だ。
■ソース
Radio interview – ABC Radio Melbourne(Prime Minister of Australia)