電気料金補助金、延長に18億豪ドル まもなく選挙戦突入

オーストラリア連邦政府は25日、2025-26年度(25年7月1日〜26年6月30日)の連邦予算案を発表する。アンソニー・アルバニージー首相率いる労働党(中道左派)政権の下での予算案発表は、22年5月の政権交代以来4度目。物価上昇にあえぐ国民生活への手厚い支援を盛り込んだ予算案の発表を発射台として、次期連邦選挙戦に突入する。
実質的な選挙戦は既にスタートしている。アルバニージー首相は2月、無料診察の一般開業医(GP)に支払う報奨金や還付金を増額すると発表。無料診察を全体の9割に拡大することを目指すとしている。20日には、処方箋薬への補助金を増額し、患者が負担する上限額を1回当たり25豪ドル(現状31.5豪ドル)に引き下げることも表明した。新年度予算案では、処方箋薬の補助金増額に6億8,900万豪ドルを計上する。
また、首相は23日、エネルギー高騰に対応するため、全世帯を対象に一律で支給している電気料金補助金を延長することも発表した。政府は昨年7月、1年間にわたって1世帯当たり300豪ドル(四半期毎に75豪ドルの割引4回)の電気料金を補助してきた。期限が切れる今年7月以降も、12月末までの半年間(75豪ドルの割引2回)は補助金を続ける。予算案では、電気料金補助金の延長に18億豪ドルを計上する。
公共放送ABC(電子版)は24日、「エネルギー問題が選挙の主な争点になりつつある」と指摘した。
予算案の発表後、首相は近日中に選挙実施を発表する。選挙は規定により5月17日までに実施される。4月の祝日や選挙期間の関係から、投票日は現時点で5月3日、10日、17日の3つの土曜日に絞られている。
ABCによると、首相は予算案発表を受けて28日の金曜日または30日の日曜日に選挙実施を発表する可能性がある。首相は24日、選挙日程に関する質問に対し「選挙が5月に実施されるのは確実だ」とだけ述べた。
■ソース
Strengthening Medicare: Cheaper medicines to get even cheaper(Prime Minister of Australia)