赤字は4兆円! オーストラリア新年度予算案

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選挙直前に所得税減税のサプライズ

 オーストラリア連邦政府は25日、2025-26年度(25年7月1日〜26年6月30日)の国家予算案を発表した。予算案の規模は、歳入が7,503億豪ドル(約69.5兆円)、歳出が7,775億豪ドル(約73.5兆円)。歳入から歳出を引いた単年度の基礎的財政収支は、421億豪ドル(約4兆円)の赤字を見込む。

 基礎的財政収支は、23-24年度の158豪ドルの黒字から、24-25年度(今年度)には276豪ドルの赤字に転落する。赤字幅は25-26年度にさらに拡大する。10年後の35-36年度まで収支は均衡しないと予測している。

 一方、25-26年度の累積赤字額は、額面の国債発行額をベースにした「総負債」ベースで1兆220億豪ドル(国内総生産=GDPの35.5%)、有利子負債から特定の金融資産を引いた「純負債」ベースで6,203億豪ドル(GDPの21.5%)となる見通しだ。

 アンソニー・アルバニージー首相の与党労働党(中道左派)は、サプライズの所得税減税を予算案に盛り込むなど、生活コスト高騰に苦しむ国民への支援を全面に打ち出した。5月17日までに実施される次期連邦選挙(下院の全議席と上院の約半数を改選)を強く意識した内容となっている。

 アルバニージー政権の下での予算案発表は4回目。予算案は毎年5月に発表するのが通例となっているが、選挙日程を考慮して約2カ月前倒しした。

■ソース

Budget Paper No.1(Budget 2025-26)

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