労働党の2期目再選か、保守連合の3年ぶり政権奪回か

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は28日、次期連邦選挙を5月3日に実施すると発表した。任期3年の下院を解散すると同時に、任期6年の上院の約半数の議席を改選する。アルバニージー首相率いる与党労働党(中道左派)は22年の前回選挙に続く2期目の続投を目指す一方、ピーター・ダットン代表(自由党党首)の率いる保守連合(自由党、国民党=中道右派)は3年ぶりの政権奪回を狙う。
公共放送ABCテレビは28日の夜明けごろ、アルバニージー首相が白いBMWの専用車に乗り、同市内の連邦総督邸に向かう様子を放映した。首相はチャールズ国王(憲法上のオーストラリア国王)の代理人を務めるサム・モスティン連邦総督と面会し、選挙令状の発令を要請した。
その後、首相は午前8時ごろから連邦議会議事堂で記者会見を行い、選挙実施を正式に発表した。アルバニージー政権は臨時の選挙管理内閣となり、約5週間の選挙戦が始動した。首相は会見で「(国家)建設を続ける労働党の計画と、ピーター・ダットンの(予算)削減の公約(のどちらか)を選ぶ選挙になる。それを選択するのはあなたたち(国民)だ」と述べた。
首相が異例の朝早い時間帯に連邦総督邸を訪問したのは、ダットン氏の27日のスピーチに関する報道を乗っ取ることで、選挙戦の主導権を握る戦略と見られる。ダットン氏は前日夜、連邦議会で行った新年度予算案(25日発表)への対抗スピーチで「オーストラリアは後退している。今の道をそのまま進むことはできない。労働党政権があと3年続くことは許されない」と述べ、政権交代を訴えていた。