世界同時株安、オーストラリア市場にも激震

「開放の日」は地獄絵図の始まり?−−。トランプ米大統領が2日、貿易赤字国などに高率の「相互関税」を課し、オーストラリアを含むその他の国・地域にも一律10%関税を発動すると発表。世界経済やインフレの先行きに不安が増し、同時株安のショックが広がった。オーストラリア株も先週、約2カ月前の高値から1割を超える急落を記録した。
シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)の主要株価指数「S&P/ASX200」は4日、前日比2.44%安い7,667.80で先週の取引を終了した。前週比の下落率は3.9%に達し、2月14日に記録した市場最高値から10.4%下落した。2022年以降で最大規模の株安局面となっている。
もっとも世界的に見ると、震源地米ニューヨーク市場のショックははるかに大きい。主要株価指数「S&P500」は4日、5,074.08で引け、前週比の下落率は9.1%、2月19日の最高値から17.4%下落した。東京の日経平均株価も4日の終値は3万3,780円58銭と下落率は前週比9.0%に達した。昨年7月11日の最高値と比べると実に20.0%下落している。
株式市場の規模が異なるため一概に言えないが、オーストラリア市場の株価は、日米と比較してボラティリティー(値動きの激しさ)が低い傾向があることが見て取れる。このことは、過去の長期的なデータも示している。
ASXは7日朝、世界の主要株式市場に先駆けて取引を開始した。先週からの世界同時株安の激流は止まらず、S&P/ASX200は取引開始直後、下落率が一時5%を超えた。その後、値をやや戻し、午後12時5分現在、3.70%安い水準で推移している。
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