「誰も望まない選挙結果」ってどうなの? オーストラリア世論調査

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与党は現状維持 最大野党は支持率下落

 5月3日投票のオーストラリア連邦選挙に向けて、最大野党・保守連合(自由党、国民党=中道右派)への支持率が引き続き低下している。現時点の情勢が投票日まで続けば、労働党(中道左派)が単独過半数または少数与党で2期目の政権続投を果たす可能性が高いと見られる

 14日付の全国紙「オーストラリアン」が掲載したニューズポールの世論調査(4月7〜11日実施、サンプル1,271人)によると、選好票配分後の実際の選挙結果に近い「二大政党別支持率」は労働党52%、保守連合48%と前回調査(3月31日〜4月4日実施)から変わらなかった。

 選好票配分前の一次得票率に近い「各政党別支持率」は、労働党33%(前回と同じ)、保守連合35%(前回比1ポイント下落)、左派「グリーンズ」12%(前回と同じ)、右派「ワンネーション」8%(1ポイント上昇)、脱炭素に積極的な保守系無所属議員のグループ「ティール」を含む「その他」は12%(前回と変わらず)だった。

 各政党別支持率では、保守連合への支持率は昨年11月40%、今年1月39%と高水準を維持していた。しかし、直近のニューズポール調査では3回連続で下落し、2022年の前回選挙で保守連合が獲得した選好票配分前の一次票得票率35.7%を下回った。ただ、労働党への支持率33%も、戦前の大恐慌以来最低を記録した前回選挙と同じ低水準にある。二大政党のいずれも勢いを失った前回選挙の結果が、今回も再現される可能性がある。

 同調査の「最も可能性の高い選挙結果は?」の質問に対しては、「労働党の単独過半数」が21%、「労働党の少数政権」が43%と労働党の勝利を予想したのは合計64%に達した。一方、「保守連合の少数政権」は22%、「保守連合の単独過半数」は14%と保守連合勝利は合計36%にとどまった。

 オーストラリアン紙は調査結果について「ハング・パーラメント(少数政権)、またはわずかな議席差での労働党の単独過半数となることを示唆している」と分析した。その上で「我が国は誰も望まない選挙結果に向けて突き進んでいる」と報じた。

■ソース

Voters expect ALP in minority rule(The Australia)

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