第1便の乗客はわずか2人だった! カンタス国際線就航90周年

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ブリスベン―シンガポールの所要時間は3日半

1935年に初めて国際線に就航した「DH86エクスプレス」(Photo: Qantas Group)

 オーストラリアの航空最大手カンタス航空は17日、国際線就航90周年を迎えたと発表した。カンタスの国際線ネットワークは現在、25カ国・地域34都市を結ぶ56路線に拡大。760万人(2024年)を運んでいるが、ブリスベンとシンガポールを結んだ第1便の乗客はたった2人だったという。

 民間航空黎明期の1920年、北東部ブリスベンで創業した「クイーンズランド・アンド・ノーザン・テリトリー・エアリアル・サービス」(頭文字を取ってQANTAS)。国際線の定期航路に参入したのは、15年後の1935年4月17日のことだった。

 英国の航空機メーカー、デ・ハビランドの4発プロペラ機「DH86エクスプレス」で、ブリスベンとシンガポール間に就航した。航空機の航続距離が現代と比べてはるかに短かった当時、16カ所を経由し、飛行時間は実に3日半を要した。

 90年後の今、カンタスは国内5都市からシンガポールへ直行便を運航し、1日数千人を乗せている。シンガポールはロンドンなど欧州路線の経由地としても、カンタスにとって重要な役割を果たしている。

 過去90年間の航空技術の発展には目を見張るものがある。ただ、オーストラリア東海岸の大都市と欧州の主要都市を結ぶ直行便はいまだに実現していない。距離が長すぎるため、シンガポールなどでいったん給油する必要があるからだ。

 しかし、カンタスは2026年中ごろをめどに、超長距離飛行が可能な「エアバスA350-1000」を導入し、シドニー―ロンドン間、シドニー―ニューヨーク間にそれぞれ初の直行便を就航させる。地球がますます狭く感じられることになりそうだ。

■ソース

QANTAS CELEBRATES 90 YEARS OF INTERNATIONAL FLYING, BRINGING THE WORLD CLOSER FOR MILLIONS OF AUSTRALIANS(Qantas Group)

A350 PROJECT SUNRISE(Qantas Airways)

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