女性の労働参加率は史上最高に

オーストラリア統計局(ABS)が14日発表した雇用統計によると、7月の失業率は4.2%(季節調整済み)と前月から0.1ポイント低下した。就業者数が2万4,500人伸びた一方で、失業者数が1万200人減ったことで失業率を押し下げた。労働市場の底堅さを改めて示した格好だ。
景気動向を示す指標の1つとなる労働参加率(15歳以上人口に占める労働力人口=就業者と失業者の合計=の割合)は67.0%と3カ月連続で同じだったが、性別では女性が63.5%と史上最高を記録した。男性は70.7%と前月から0.3ポイント下落した。
オーストラリアの失業率は2022年7月に3.4%まで低下した後、緩やかに上昇。23年末以降は4.0%前後のレンジで推移していたが、6月は4.3%と上振れし、約3年半ぶりの水準を記録していた。ただ、失業率は歴史的に見ると依然としてきわめて低い水準にある。
公共放送ABC(電子版)によると、失業率、就業者数の伸びともに市場予測と一致した。失業率低下はインフレ圧力の上昇を示唆するため、市場では豪準備銀(RBA)による9月の利下げ観測がやや後退した。一方、その次の11月会合での利下げがより確実視されている。
RBAは12日、インフレ圧力の低下が顕在化してきたことから、政策金利を0.25ポイント引き下げて3.60%とした。利下げは2月以降の緩和局面で3回目。コモンウェルス銀のベリンダ・アレン上級エコノミストは12付の短信リポートで、景気はRBAの予想よりも力強いとの見立てから、今回の局面での利下げは3.10%で打ち止めとなる可能性が高いとの観測を示した。これが正しければ、利下げのチャンスは11月を含めてあと2回しか残されていないことになる。
■ソース
Unemployment rate falls to 4.2% as female participation hits record high in July, Media Release(ABS)
RBA cuts the cash rate by 25bp as expected in August(Commonwealth Bank of Australia)