豪カンタスが新型機を20機追加注文した理由とは?

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航続距離8,700キロのナローボディー機「A321XLR」 新デスティネーションへの就航が可能に

カンタス航空が受領したA321XLR(Photo: Qantas Group)

 オーストラリアの航空最大手カンタス航空を運営するカンタス・グループはこのほど、欧州エアバスの最新鋭機「A321XLR」20機を追加注文したと発表した。カンタスは現在、新機材への大がかりな刷新を進めており、これまでに注文したA321XLRは合計48機となった。全体で200機以上導入する新型機のうち、A321XLRは国内主要路線と近・中距離国際線の主力機となる。

 追加注文した20機のうち16機は、ビジネスクラスにエンターテイメント機能を高めたフルフラットシートを採用。シドニー・パース間の国内線長距離ルートや、東南アジア行きの国際線に就航させる。

 中型機ながら航続距離の長いA321XLRを増やすことで、競争力を高める狙いがある。カンタスによると、A321XLRの最大航続距離は8,700キロ。同機が置き換える米ボーイングの現行機「B737」と比べて3,000キロ以上長く飛べる。東南アジアや南太平洋諸島の新たな都市への直行便就航が可能になるという。

 A321XLRは、近中距離用のナローボディー機(通路1列の中型機)であるA321をベースとし、胴体を延長して座席数を増やすとともに、航続距離を大幅に伸ばした新型機。カンタスが最初に注文した機体は、今年6月から順次納品が始まっており、そのうち2機は9月中旬に商業運航を開始する。今回の追加注文分は2028年に受領が始まる予定だ。

 傘下の格安航空会社(LCC)「ジェットスター」も27年以降に同機を受領し、2クラス構成で国際線に就航させる計画だ。

 カンタス・グループのバネッサ・ハドソン最高経営責任者(CEO)は声明で「A321XLRの追加注文により、B737の退役を加速させる。国内線と国際線で新しい機会が拡大し、現在のナローボディー機では不可能だった新しいデスティネーションへ就航させることが可能になる」と述べた。

■ソース

QANTAS ORDERS 20 NEW A321XLR AIRCRAFT, 16 WITH LIE-FLAT BUSINESS SEATS(Qantas News Room)

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