先進国最少レベルだが、日本よりは多い

オーストラリア統計局(ABS)はこのほど、被害者数ベースの犯罪統計(2024年)を発表した。主な犯罪のうち、殺人関連事件(殺人罪、殺人未遂罪、故殺罪=殺意はなかったものの結果的に殺害した罪=の合計)の24年の被害者数は448人と前年と比べて9%(37人)増えた。
ただ、治安状況の1つの目安となる「人口10万人当たりの被害者数」は2人と、総人口が増えて分母が大きくなったため前年と変わらなかった。
では、オーストラリアの殺人事件発生率を国際比較するとどうなのか。英オックスフォード大のデータベース「アワ・ワールド・イン・データ」によると、オーストラリアの「人口10万人当たりの殺害された人の数」(23年=殺人未遂を含めたABSの統計とは異なる)は0.9人と、世界平均の5.2人を大きく下回っている。
米国(5.8人)、欧州全体(2.1人)、ニュージーランド(1.5人)、フランス(1.3人)、英国(1.1人)などと比べて、低い水準にとどまっている。殺人事件の発生率に限って見れば、オーストラリアの治安の良さは、先進諸国の中でもトップレベルと言えそうだ。ただし、日本の0.2人と比較すると4倍以上の発生率となっていることに留意する必要がある。
一方、性的暴行事件の被害率は上昇傾向にある。ABSによると、24年の性的暴行事件の被害者数は4万0,087人と前年比で10%(3,735人)増加した。10万人当たりの被害者数は147人と前の年の136人から増え、統計を取り始めて以来、過去最高を更新している。
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