オージー固有のクルマ文化「ユート」ってなに?

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トヨタ・ハイラックス、新型投入でシェア1位奪回へ

農場で牛を追うトヨタ・ハイラックス(Photo: Toyota Australia)

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 日本ではほとんど見かけないが、小型トラック「ハイラックス」は、オーストラリアで20%前後と圧倒的なトップシェアを誇るトヨタのラインナップの中でも、一番売れている主力モデルだ。酷使しても壊れないタフな日本車の代名詞として、兄貴分のトヨタ・ランドクルーザーとともにオージーに支持されてきた。

 ハイラックスは近年、米フォードの小型トラック「レンジャー」とともに、新車販売ランキングで激しい1位争いを繰り広げている。シャープな外観に刷新した新型モデルの投入により、ライバルのレンジャーを抜いてシェア1位の座を再び奪う可能性がある。

 連邦自動車工業会(FCAI)によると、今年1〜11月の新車販売台数ランキングのトップ3は、フォード・レンジャーが5万1,125台、ハイラックスが4万8,675台、同じくトヨタのスポーツ多目的車(SUV)「ラブフォー」(RAV4)が4万5,909台、となっている。

今どきのオーストラリア「国民車」に

 海外市場で一般的に「ピックアップ・トラック」と呼ばれる小型トラックだが、オーストラリアでは「ユート」(Ute=ユーティリティーの短縮形)という独特の名前で親しまれている。鉱山での移動から、農場での牛追いや農作業、トレーダー(大工や職人などの個人事業主)の仕事用、アウトドアでのレジャー目的に至るまで、幅広いシチュエーションで活躍している。

 小型と言っても、車体は全長5メートル級、車高2メートル級の堂々とした巨体。マッチョなクルマを好むオージーの市場ニーズにマッチした最量販セグメントとなっており、街を走っていると必ず周りに何台かは見かける。

GMホールデンがかつてオーストラリアで生産していた国産の「ホールデン・ユート」。国内生産からの撤退に伴い、2017年に生産を終了した(Photo: EurovisionNim on Wikipedia)

 かつてのオーストラリアでは、GMホールデンのコモドアやフォードのファルコンといった国産大型セダンの後部に荷台を架装したユートが人気だった。同様の車体では、古くは米シボレーの「エル・カミーノ」や日産「サニー・トラック」といった例がある。しかし、現代では珍しい乗用車ベースの小型トラックというスタイルは、この国独自のクルマ文化を育んできた。

 だが、2010年代後半には全ての完成車メーカーが撤退して国産車がなくなり、オージー製ユートは消滅した。ラダーフレームの車台に車体と荷台を乗せた古典的なトラックに置き換わったものの、ハイラックスをはじめとする海外製ユートが、いわば新しい時代の「国民車」としてオージーに愛されているのだ。

■ソース

NEW TOYOTA HILUX RANGE LANDS IN AUSTRALIA WITH MAJOR IMPROVEMENTS AND LOCALLY DEVELOPED DESIGN(Toyota Pressroom)

News and Media(Federal Chamber of Automotive Industries)

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