警戒は必要だけど、とりあえず安心して

これまでに15人の死者を出したシドニー東郊ボンダイ・ビーチの銃乱射テロ事件。シドニーの在留邦人数は、在留届を出している人だけで3万1,193人(2024年10月時点=外務省調べ)。世界で7番目に日本人が多い都市だけに、心配している日本の家族や友人も少なくないだろう。
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ただ、オーストラリア連邦政府は現時点で、新たなテロの脅威は差し迫っていないとの認識を示している。今回の事件後も、テロ警戒レベルを5段階の上から3番目の「起こりそうである」(Probable)で現状を維持した(上記参照)。
第2、第3のテロが同時多発的に起こるリスクは低いと見られる。市民はひとまずこれまで通りの日常生活を送ることができそうだ。
15日夜の公共放送ABCテレビに生出演したアンソニー・アルバニージー首相は、イスラム過激思想に傾倒した容疑者の親子2人(父は現場で警察が射殺、息子は重体で入院中)による単独的な犯行との見方を表明。現時点では、海外の過激派勢力による組織的な関与を確認していないと指摘した。
交通機関の影響や行動制限は?
ボンダイ・ビーチの事件現場周辺は、依然として規制線が張られ、立ち入り禁止となっている。道路は、海岸沿いを通るメインストリートのキャンベル・パレード(Campbell Parade)で、ラムロック・アベニュー(Lamrock Avenue)からヘイスティングス・アベニュー(Hastings Avenue)までの区間の通行止めが続いている。
付近を通る「333番」と「380番」のバスが迂回運行しているものの、その他のバスや鉄道のダイヤは平常通りとなっている。
現場付近の立ち入りを除いては、現時点でニューサウスウェールズ州政府・州警察は行動制限を呼びかけていない。市民はオーストラリア史上最大規模のテロ事件に打ちひしがれているものの、日常生活には大きな影響は出ていない。
「テロの標的になる場所には近寄らないで」と総領事館
一方、在シドニー日本国総領事館は15日、シドニーの在留邦人に宛てたメールマガジンで次のように注意を喚起している。
「不測の事態を避けるために最新の情報把握に努めるとともに、特にユダヤ教記念日・祭日前後には、シナゴーグをはじめとしたユダヤ教関連施設やデモ抗議集会場の周辺等、ヘイトクライムやテロの標的とされやすい場所にはできる限り近寄らないなど、自らの安全確保に努めてください」
直近のユダヤ教関連の主な行事としては、ハヌカ(光の祭=2025年12月14〜22日)、ペサハ(過越祭=2026年4月1〜9日予定)があるとしている。
また、ユダヤ教関連だけではなく年末年始の大型行事についても「不測の事態に備え、不特定多数の人々が集まる場所では十分に注意してください」と呼びかけている。
■ソース
Current National Terrorism Threat Level(Australian National Security)
National Terrorism Threat Advisory System(Australian National Security)
Diversions at Bondi Beach(Transport NSW)
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