資源業界に世界的再編の狼煙? リオティントのグレンコア買収計画が明るみに

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最大級のM&A、狙いはなに?

リオティントの主力事業である西オーストラリア州北西部ピルバラ地区の鉄鉱石鉱山(Photo: Rio Tinto)

 上流の鉄鉱石生産に強みを持つ英豪系資源大手リオティントが、スイス拠点の資源・商品取引大手グレンコアの買収に向けて協議を進めていることが8日、明らかになった。両社は事業統合や株式交換を含む複数の選択肢について予備的な協議を行っており、実現した場合、報道によれば世界最大級の資源企業が生まれる可能性があるという。

 グレンコアの報道発表によると、買収交渉はまだ初期段階であり、具体的な条件や最終合意には至っていないとしている。現時点では、リオがグレンコアを完全買収する形や、株式交換による合併など複数のシナリオが検討されているが、「確定した取引は存在しない」と強調している。

 公共放送ABC(電子版)によると、発表を受けて株式市場ではリオ株が下落した一方、グレンコア株は上昇した。

銅やリチウム、商社機能、供給網に照準か

 買収計画の狙いは、リオが抱える鉄鉱石依存の是正や、銅など成長分野への投資拡大にあると見られる。リオにしてみれば、グレンコアが持つ銅やリチウムなどの重要鉱物の権益に加え、貿易(商社部門)や在庫、物流などの資産は非常に魅力的に映るようだ。

 ABCの分析によると、上流の鉱山開発に強いリオがグレンコアの商社機能を取り込むことは、収益源の多角化や、資源価格の変動への耐性強化につながる可能性があるという。

 一方、仮にグレンコアの全資産を買収した場合、リオは2018年に売却した石炭事業を買い戻す形になる。リオは化石燃料からの脱却を進めているため、アナリストの間では「買収後に石炭事業を切り離す可能性が高い」との見方が強い。石炭価格は近年高騰したことから大幅な利益を生んだものの、コスト上昇や脱炭素の流れを踏まえると、リオ取締役会にとっては悩ましい資産になるというのだ。

 市場では、買収が実現した場合、石炭事業の再編が連鎖する可能性もささやかれている。ロイターのコラムニストの分析などによると、規制当局の審査や大株主の動向といったハードルも多く、交渉が最終合意に至るかどうかは不透明だ。しかし、世界の資源業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めた動きとして、注目を集めている。

■ソース

Statement regarding Rio Tinto(Glencore)

Statement regarding Glencore plc(Rio Tinto)

Rio Tinto stock tumbles on Glencore merger talks, dragging down ASX — as it happened(ABC News)

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