バッテリー電気自動車は成長に急ブレーキ

オーストラリア連邦自動車工業会(FCAI)がこのほど発表した統計によると、2025年の国内新車販売台数は120万9,808台となり、史上最高を記録した前年と比べ0.9%減少した。高金利や生活費高騰による需要縮小が懸念されたが、年間を通して底堅さを維持した。
FCAIのトニー・ウェバー代表は声明で「販売台数は全体で微減となったものの、新しいテクノロジーがより幅広く消費者の手元に届き、市場の進化は続いている」と述べ、新車需要は依然として堅調だとの見方を示した。
内訳を見ると、売れ筋の変化がより鮮明になっている。車体タイプ別では、スポーツ多目的車(SUV)は前年比5.5%増の73万3,831台となり、全体に占めるシェアは60.7%と初めて6割を超えた。オーストラリアで根強い人気を誇る「ユート」(小型トラックを意味する豪英語。米英語の「ピックアップトラック」に相当)を主体とする小型商用車もシェアは22.6%に伸びた。
SUVと小型トラックが合計でおおむね8割と、市場の構造的なシフトが一段と加速している。引き続き軽自動車やミニバンが売れている日本と比べると、オーストラリアの自動車市場の消費性向は大きく異なる。
一方、セダンやハッチバックといった伝統的な乗用車の販売台数は前年比22.6%減の15万7,484台まで落ち込み、全体に占める割合はわずか13.0%まで縮小した。
動力源別で見ると、内燃機関と電気モーターを組み合わせたハイブリッド車が19万9,133台と前年比で15.3%伸びた。電気モーターだけで走るバッテリー電気自動車(BEV)は10万3,269台と1.1%増にとどまった。BEVのシェアは8.3%まで拡大しているものの、成長に急ブレーキがかかっており、FCAIの従来予測を大幅に下回っているという。
一方、充電も可能な「プラグイン・ハイブリッド車」(PHEV)は前年比130.9%増の5万3,484台と、販売を急激に伸ばしている。
ウェバー代表は「(温室効果ガスの)排出削減に向けた現実的な移行手段として、多くの消費者がハイブリッドやPHEVを選択している。(自動車)産業はBEV技術に莫大な資金を投じているが、投資を回収できるかどうかは、消費者の準備と、信頼性の高い公共充電インフラが利用できるかどうかにかかっている」と分析した。
◼️ソース
Australia’s new vehicle market remains resilient(Federal Chamber of Automotive Industries)