でもAIって本当はバブルじゃないのか!?

SaaS(サーズ=ソフトウエア・アズ・ア・サービス」とは、ソフトウエアをクラウド経由で利用できるサービスのことを指す。サブスク(定額制)でデバイスを問わず気軽に利用でき、自動更新されるのが特徴で、以前の買い切り型ソフトに代わって、主にオフィスで使う業務用ソフトを中心に普及している。
一般消費者には馴染みが薄いが、顧客管理・営業ツールをクラウドで提供する米セールスフォース、デザイン・映像ソフト大手の米アドビなどの企業が代表的だ。ワードやエクセルなどで馴染み深い米マイクロソフトもSaaS陣営の筆頭と言える。同社の事務ソフトはかつて買い切りだったが、現在ではサブスクのクラウド提供が主流になっている。
ところが、人工知能(AI)が自発的にタスクをこなしてくれる「AIエージェント」が普及すれば、SaaSは要らなくなるのではないか。そんな「SaaSの死」の観測が昨年から浮上してきた。直接インパクトを与えたのは、新興AI企業の米アンソロピックが今年1月に相次いでリリースしたAIによる業務支援ツール「クロード・コーワーク」(Claude Cowork)と、特定業務に特化した各種のプラグイン(拡張機能)だ。
コーワークとそのプラグインの登場でSaaSはオワコンに。そんな思惑が広がり、年初からセールスフォースやアドビなどの株価が米市場で急落した。業務ソフトの比重が大きいマイクロソフトも大幅に株価を下げている。
その一方で、市場ではAIバブル崩壊の懸念も浮上している。◇AI用半導体大手の米エヌビディアのいわゆる「循環取引」、◇IT大手による巨額AI投資が回収できないおそれ、◇一部AI企業経営者が集めた詐欺まがいの投資資金の流れ、などをめぐって、25年前の「ドット・コム・バブル」との類似性を指摘する声もある。
いずれにせよ、AIエージェントが本当に仕事効率を飛躍的に向上させる夢のツールになるのか。あるいは、期待先行で「AIバブル」のあだ花に終わるのか。今後の動向から目が離せない。