大陸北西端に上陸

ロイター通信やブルームバーグ、現地メディアの報道によると、サイクロン「ナレル」が通過した西オーストラリア(WA)州北西部では27日現在、天然ガスを採掘する海上プラットフォームや陸上の液化天然ガス(LNG)プラントが、相次いで操業を停止している。主要な港湾施設も閉鎖されており、輸出への影響が懸念される。
ロイターによると、米エネルギー大手シェブロンが運営する海上ガスプラットフォーム「ウィートストーン」(WA州北西部ピルバラ地区の225キロ沖)が26日正午ごろ、緊急停止した。サイクロン接近に備えて現場スタッフを退避させ、パースから遠隔操作していた。しかし、操業停止に伴い、陸上プラントでの生産も不可能になったという。
3時間後、シェブロンが運営するバロー島(同50キロ沖)にある3つのLNGプラントのうち1つも停止したとしている。
また、WA州のエネルギー関連ニュースサイト「ボイリング・コールド」によると、豪ガス大手ウッドサイド・エナジーの海上ガス開発プロジェクト「ノース・ウェスト・シェルフ」の4つの施設も26日の時点で停止。豪ガス大手サントスが運営するバナラス島もガス精製施設も、生産をストップしているという。
グローバルなLNG不足に追い打ちも
オーストラリアは世界2位のLNG輸出国。WA州北西部は天然ガス採掘とLNG輸出の一大拠点となっている。相次ぐ操業停止は、ただでさえホルムズ海峡封鎖で打撃を受けている世界のLNG供給に、さらにマイナスの影響を与えかねない。
ただ、ボイリング・コールドによると、サイクロン通過後、各社は復旧を急ぐ。施設に損傷がなければ、生産再開にそれほど時間はかからない可能性がある。
国内の天然ガス供給にも影響が出るかもしれない。州北西部産の天然ガスは、極低温で液化したLNGの形で専用船に積み、海外に輸出するのが主眼だが、気体の状態でパイプラインを通してWA州内にも供給している。
ボイリング・コールドによると、シェブロン、ウッドサイド、サントスの3つのプラントはWA州内のガス供給量の44%を担っている。現時点では、州内2カ所の地下貯蔵施設に余裕があるため、パイプラインの供給に支障は出ていないという。
建物などに被害も負傷者の報告なし
オーストラリア気象局(BOM)によると、ナレルは27日午後、オーストラリア大陸の北西端に近いWA州コーラルベイの南約55キロの地点に上陸した。時速23キロで南へ進んでいる。勢力をカテゴリー3(5段階中上から3つ目)へと1段階弱めたものの、最大瞬間風速は時速205キロ(毎秒約56メートル)と依然として猛烈な風が吹いている。
公共放送ABCによると、ナレルが通過した州北西部一帯では、突風で避難所の屋根が吹き飛ぶなど一部の建物に被害が出たり、停電が発生したりしている。負傷者などの人的被害は現時点で出ていない。
予想針路の直下にある州西部の町ジェラルドンでは、スーパーで食料品や水の在庫が不足するなど市民生活に影響が出ている。週末には勢力をさらに弱めて温帯低気圧に変わり、州都パース付近まで南下すると見られている。
◼️ソース
Chevron reports outage at Australian gas facilities due to cyclone(Reuters)
Cyclone Narelle shuts 44pc of WA gas supply(Boiling Cold)
Cyclone closes Woodside’s North West Shelf: Australia’s largest gas plant(Boiling Cold)
Severe Tropical Cyclone Narelle 34U(Bureau of Meteorology)
WA coast braces for ‘significant damage’ as Cyclone Narelle nears landfall(ABC News)