「いちいちコメントしない」とアルバニージー豪首相 イラン攻撃への対応めぐるトランプ大統領の不満表明に

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米国と一蓮托生 岐路に立つ豪米同盟

米国のドナルド・トランプ大統領(Photo: White House)

 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は27日、ドナルド・トランプ米大統領がイラン攻撃へのオーストラリアの対応に不満を表明したことについて、「大統領の発言1つ1つについて日々コメントしない」と静観する姿勢を示した。首都キャンベラの連邦議会で行った会見で、記者団の質問に答えた。

記者:トランプ大統領は昨夜、中東支援に関する一時的な要請について、オーストラリアはあまり協力的ではないと言及した。見解を聞きたい。

アルバニージー首相:トランプ大統領とは非常に建設的な関係を築いてきた。私は早い段階から、大統領の発言1つ1つについて日々コメントするつもりはないと述べてきた。しかし改めて強調したいのは、オーストラリアに対して行われた要請のうち、同意していないものは一つもないということだ。大統領の発言については、大統領自身が説明すべき問題だ。

 同時に指摘しておきたいのは、今回の行動が実施される前にオーストラリアは相談を受けていなかったという点だ。それは米国の判断であり、私はそれを尊重する。それは米国の問題である。オーストラリアが責任を負うのは、自国の対応であり、オーストラリア首相として私が責任を負うのもその点だ。そして我々は建設的な対応を行ってきた。

 オーストラリアは米国と最も緊密な同盟国の1つ。2度の世界大戦、朝鮮、ベトナム、アフガニスタン、イラクなど米国の大規模な戦争にはほとんど兵を送り、犠牲を払ってきた。しかし、今回の米・イスラエルによるイラン攻撃に際して、アルバニージー首相は、イラン核開発阻止という攻撃目的に理解を示しつつ、本格的な参戦は明確に否定している。

 ただ、イランからミサイルやドローンで反撃を受けているアラブ首長国連邦(UAE)を支援する「自衛的な軍事支援」の名目で、空軍の早期警戒管制機「E-7Aウェッジテイル」1機と空軍兵を派遣した。中距離空対空ミサイル(AMRAAM)も提供している。

 続いてアルバニージー首相は次のように答え、戦争の早期終結を訴えた。

記者:率直に聞く。オーストラリアは依然としてこの戦争を支持しているのか。それともあなたは、トランプ大統領はすでに目的を達成しており、戦闘を停止すべきだと考えているのか。

アルバニージー首相:それはもちろん、米国が決定すべき問題だ。我々は米国の重要な同盟国だ。しかし我々は緊張の緩和を望んでおり、この戦争が世界経済に甚大な影響を及ぼしていることも認識している。そして、米国との同盟関係はきわめて重要だ。

 トランプ大統領は、イランが核兵器を保有しないこと、また近隣諸国への攻撃や、ハマス、ヒズボラ、フーシ派といった代理勢力への資金提供を継続できないようにすることが重要な目標であったと述べている。

 しかし、私たちとしては、引き続き紛争の終結を求めている。紛争の終結を強く望んでいる。もっとも、イラン政権に対しては強い嫌悪感を抱いていることも、これまで述べてきた通りである。

 トランプ大統領のコメントに世界が揺さぶられ、ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー危機がオーストラリアにも迫る中、イラン攻撃は4週間目に突入した。

 早期停戦に向けた出口が見えない一方で、CNNなどによると、米軍は佐世保基地の強襲揚陸艦「トリポリ」、沖縄の海兵隊部隊2,000人以上などに加え、即応部隊の陸軍空挺部隊約1,000人を派遣したとも報じられている。上陸作戦が可能な艦隊と数千人規模の兵力の展開は、ペルシャ湾の奥に位置するイランの原油輸出拠点カーグ島の制圧が念頭にあるとの見方がある。

 アングロサクソン陣営の同胞として、これまで米国と一蓮托生の関係を続けてきたオーストラリア。停戦交渉が暗礁に乗り上げ、ホルムズ海峡を挟んだ大規模戦闘の火ぶたが切られた場合、重大な決断を迫られる日は近い。

◼️ソース

Press conference – Parliament House, Canberra(Prime Minister of Australia)

More than 1,000 US soldiers preparing to deploy to the Middle East to be available for Iran operations(CNN)

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