1リットル53豪セント→26豪セント

アルバニージー政権が28日発表した燃料確保の緊急対策は、政府が民間の調達リスクを肩代わりすることで、顕在化している供給不足の緩和が期待できる。反面、ガソリン・軽油の小売価格を抑制する効果は限定的となる可能性がある。
政府案に対して、連邦議会最大野党の保守連合(自由党、国民党)は、ガソリン減税を主張している。現行の燃料税はガソリン1リットル当たり53豪セントだが、アンガス・テイラー保守連合代表(自由党党首)は同日、およそ半分の26豪セントに引き下げる対案を提示した。
公共放送ABCによると、テイラー代表は「私たちは燃料高騰の危機に直面している」と述べ、供給拡大策よりも、ガソリン減税による家計の負担軽減を優先する考えを示した。
政府は2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、急上昇したガソリン小売価格を引き下げるため、一時的に燃料税を半分に下げた経緯がある。
そもそも需要抑制や節約が必要なのでは?
一方の日本では、高市政権が足早に「燃料油価格激変緩和対策」を発動した。石油元売りに補助金を投入して、小売価格を抑える仕組みだ。手法は異なるが、価格抑制策という点では保守連合の燃料減税案と共通している。
ただ、いずれも需要を喚起してしまい、節約を促すことができないというデメリットがある。むしろ供給不足に拍車をかけかねない。加えて、巨額の予算が必要となるため財政も圧迫する。日本はまだ239日分の石油備蓄があるが、オーストラリアに余裕はない。
供給促進や価格抑制策ではなく、燃料需要そのものを抑えるべきだとの主張もある。右派の連邦野党「ワンネーション」は、「1984年連邦液体燃料緊急法」の行使を政府に要請している。同法が発動すれば、配給制の下で、国防軍や警察、救急・救命隊、消防、公共交通機関などの必要不可欠なサービスへの燃料供給を優先することが可能になる。
また、東部ニューサウスウェールズ州のクリス・ミンズ州首相も、ガソリン配給制や在宅勤務を含む需要管理策を全国レベルで議論すべきだとの考えを示している。
いずれにせよ、ホルムズ海峡封鎖の解除の出口が見えない中、残された時間は少ない。アルバニージー首相は30日、エネルギー問題を議題にした2回目の「国民内閣会議」を開く。各州・準州のリーダーを集め、全国的な緊急対策を議論する。
◼️ソース
Fuel security powers to support fuel supply(Prime Minister of Australia)
PM announces new powers to boost fuel supply amid Middle East tensions(ABC News)