メディア訴えた名誉毀損訴訟ではすでに敗訴

オーストラリア連邦警察(ADF)と、連邦法務省の特別捜査局(ISO)は7日、アフガニスタンでの戦争犯罪(殺人罪)の疑いで、元国防軍兵士(47歳)を逮捕したと発表した。
元兵士は、オーストラリア国防軍が駐留していたアフガニスタン国内で2009年〜12年、5回にわたり、非武装の民間人5人を自らの手で、または部下に命令して殺害した疑い。
公共放送ABCなどの現地メディアによると、連邦警察などが逮捕したのは、特殊空挺部隊に所属していた元陸軍伍長のベン・ロバート-スミス容疑者。ブリスベンからシドニーに向かう国内線の航空機内で身柄を確保したという。7日中に起訴し、地元の裁判所に出廷する見通しだ。
ロバート-スミス容疑者らアフガニスタン駐留部隊の戦争犯罪は、メディア大手フェアファックスとABCが18年以降、合同で行った調査報道で明るみに出ていた。これに対して、ロバート-スミス容疑者側は19年、民事の名誉毀損訴訟を連邦高裁に起こした。
しかし、高裁は23年、報道の事実を認め、名誉毀損の訴えを退けた。高裁は25年にロバート-スミス容疑者側の控訴を棄却。容疑者と、資金を支援した富豪ケリー・ストークス氏(民法セブン・グループ会長)に対し、被告側への裁判費用の支払いを命じ、民事裁判は終結していた。
オーストラリア連邦警察・クリッシー・バーレット本部長のコメント
「今回の容疑に関わる行為は、国民の信頼と敬意を受けているオーストラリア国防軍のごく一部に限られたものです。国防軍はこの国の安全を守るために存在しています」
「圧倒的多数の国防軍兵士たちは、国の誇りそのものです。今回の訴追は、オーストラリアの国旗のもと、名誉と誇りを持ち、民主主義国家の価値観に従って服務している大多数の兵士たちの姿を、決して代表するものではありません」
「今日は、国防軍への支持を改めて示すとともに、国のために命を捧げた兵士の家族のことを、心に深く刻むべき日です」
(元兵士逮捕の会見より)
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