シドニーで迎えたW杯出場決定の瞬間━━インターン生取材記

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サッカーほぼ初心者が立ち会うサッカー日本代表W杯出場の瞬間
━━日豪プレス・インターン生取材記

 (取材・写真:阿部慶太郎=本誌インターン生)

 編集インターンとして日豪プレスに関わらせてもらって約半年、その間新型コロナウイルスによるロックダウンもあり、本来ならば例年行われていた外でのイベントなどの取材活動はなく、せっかくインターンとして在籍させてもらっているのにメディアの仕事として、本当の意味での“オイシイ”思いを今一つできずにいた。

しかし3月上旬、私はサッカーW杯の予選で日本代表チームが下旬に来豪し、更にシドニーで試合をすることを知った(恥ずかしながらサッカーについての情報は浅く、知識も薄っぺらいものであった)。そこですぐに編集チームの上司に試合の話をし、もし取材に行くのであれば同行させて欲しいと相談した。すると、すぐにスタジアム内での取材を申し込むためのフォームのリンクを教えて頂くことができ、応募。数日後承認され、インターン活動で最初の大仕事の準備が始まった。

まず自分がしなければならないことは、現在代表チームが、予選をどのように戦い抜いてきたのかを一から調べること、そしてこのオーストラリア戦の結果次第で本戦出場に向けてどうなるかを調べることであった。すると、奇跡的にもこの試合に勝てばカタールで行われるW杯本戦へ7大会連続の出場が決定することを知った。

シドニーで日本代表の試合が見られるだけでも貴重なことなのに、そんな大事な試合となると、こちらもテンションが上がるものである。良い取材の機会にできるようにと、より身が引き締まる思いがした。

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そして迎えた3月24日、舞台はオリンピック・パークにある「Accor Stadium」。予報では大雨だったが夕方の時点で予報は外れ、くもり空。「Box Office」で受付を済ませ、大体の場所を行き来できる魔法の“メディア・パス”をゲット。その後、本誌の馬場編集長の紹介で、本誌フットボールの記事でおなじみのタカ植松氏とお会いし、その日はピッタリと傍にくっついてお供させてもらうことになった。

馬場編集長はフォトグラファーとしてピッチのゴール付近でカメラを構えるため一旦別れ、自分と植松氏はスタジアム周辺を散策。シドニーでのサッカー日本代表の試合、更には勝てばW杯決定ということもあり、多くの日本人の姿をスタジアムの周辺で見掛けた。何人かの日本サポーターの方に少しお話を聞くこともでき、写真を撮らせてもらうこともできた。

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シドニーは3月も下旬になると陽が落ちるのも早くなり、午後7時前にはかなり暗くなっていた。しかしそれは単純に雨雲が空を覆っていたからであった。小雨が降り始めたと思いきや、それなりの雨量がスタジアムを襲い始めた。天気予報は間違っていなかった。秋口の夕暮れの雨が体から体温を奪っていく。我々はスタジアム内に戻った。

スタジアム3階のメディア席からピッチを見渡すと、試合開始の時間が近付いているのというのに約8万人収容のスタジアムには空席が多く見受けられた。植松氏はオーストラリアでのフットボール(サッカー)人気について、プレーする方のサッカーは以前と変わらず人気であるが、「A-League(オーストラリアのプロ・サッカー・リーグ)」など見る方のサッカー人気はラグビーなどに比べると数段下と語ってくれた。

多くのオージー・サッカー・ファンはヨーロッパの高いレベルのサッカーをより好んで見ているとのこと。コロナ禍とはいえ、代表戦でこのガラガラ具合は寂しいものである。

試合開始の時間が近づき、小雨の中ではあるが両チームの選手がピッチに登場。そしてスタジアム内に日豪両国の国歌が流れた。先に君が代が流れたのだが、このような異国の地での大舞台で自分の国の国歌を聞いたのは初めてだったので、少し感慨深い気持ちになった。

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そして、ついに試合が始まった。試合の内容は各メディアで大きく詳細が報じられているので割愛するが、試合は後半44分とアディショナル・タイムに途中出場の三笘薫選手(24)のあげた2得点で日本代表が勝利し、今年11月に行われるカタールでのW杯の出場を決めた。

この試合を観戦させて頂いた素直な感想は、スタジアムの熱気というものを久々に感じることができ、非常に興奮したということだ。コロナ禍に伴い大声を出してのスポーツ観戦は日本では見られなくなっているという。そのため日本のスポーツ中継を見ていてもどこか物足りなく寂しい思いをしていたので、この日の会場の空気には懐かしさを感じると共に、実際より一層試合を盛り上げたのではないだろうか。アウェーでの試合ではあったが、多くの在豪日本人がスタジアムに駆け付け、日本代表に声援を送った。試合後には森保一監督(53)や選手たちがゴール裏の応援席の方へ向かい、サポーターと共に勝利を喜び合った。

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先ほどスタジアムは空席が目立ったと述べたが、もちろん熱いSocceroosのサポーターも多数駆け付けており、オーストラリア選手への大声援、時には相手やレフェリーへの大ブーイング。この圧力は日本代表にとっても大きなプレッシャーになったであろう。このようにスタジアムで大声を出して選手の背中を押せるような日常が、日本にも戻ることを切に願っている。

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このようなW杯出場決定の瞬間というまたとない機会に立ち会わせてくださった日豪プレス馬場編集長、オーストラリアのフットボール事情についていろいろ教えてくださったタカ植松氏、スタジアム内外で取材に協力してくださった皆様、そして何よりすばらしい試合を見せてくれたサッカー日本代表チームに感謝申し上げたい。

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