米英豪「オーカス」首脳会談、原潜調達の行程発表
安保枠組み「オーカス」(AUKUS)を構成するオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、米国のジョー・バイデン大統領、英国のリシ・スナク首相は14日(現地時間13日)、米西部サンディエゴで3カ国首脳会談を行い、通常型兵器を搭載した攻撃型原子力潜水艦(SNN)をオーストラリアに配備する行程を明らかにした。
3首脳が会談後に発表した共同声明によると、米国は、議会の承認を得た上で、2030年代初頭に米主力攻撃型原潜「バージニア級」3隻をオーストラリアに提供し、必要に応じて2隻を追加配備する。バージニア級の配備数は最終的に最大5隻となる可能性がある。
加えて、30年代後期には英国が主導して設計し、建造する次世代攻撃型原潜「SSN-オーカス」をオーストラリアに配備する。さらに、40年代初頭にはオーストラリア国内でSSN-オーカスの建造を開始する。
これに先立ち、今年中に米国と英国の潜水艦基地でオーストラリア海軍の軍人と民間人の訓練を始める。27年には、オーストラリアの攻撃型原潜の戦闘能力を高めるため、米国と英国はオーストラリアに攻撃型原潜のローテーション(巡回)配備を開始する。
中国念頭にアングロサクソン陣営結束
3カ国の首脳は「私たちは、自由と人権、法の支配、主権国家の独立、法に基づく国際秩序を守る世界を信じる。今日発表した(オーストラリアへの原潜配備の)行程は、今後数十年間にわたる相互に有益な目的を推し進めるものだ」と述べ、共同声明を締めくくった。
オーカスは21年9月、海洋進出を加速させる中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」を推進する3カ国の新しい安保枠組みとして発足した。オーストラリアの原潜配備は、ロシアのウクライナ侵攻や中国の海洋進出など、厳しさを増す安全保障環境に対し、アングロサクソン陣営の主要3カ国が改めて足並みを揃えた格好だ。
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