最低気温は例年平均上回るが日中は寒冷
5月26日付ABC放送(電子版)は、気象庁(BoM)のこの冬の長期気象予報を報じている。それによれば、大陸の広い範囲で多雨気象が続く。
今年に入って大雨が続いているNSW、QLD両州を含む大陸の広い地域が例年平均中央値を超える雨量を見込まれており、それに反して、WA州南西部とTAS州西部では乾燥した気象条件になるとしている。
また、最低気温は平均を上回ることが予想されるが、大陸中央部全域で日中気温が通常の平均気温を下回ることが予想されている。
これもすべてラ・ニーニャがしつこく居座っているためで、一方、負のインド洋ダイポール(IOD)が高まっており、これもオーストラリア大陸で多雨の気象条件をもたらすことになる。
BoMによると、6月から8月までの降雨量は、オーストラリアのかなり広い範囲で例年平均中央値を上回ることが予想されている。
大陸東部と中央部でとりわけ多雨の気象条件が続き、中央値を上回る降雨量の確率は80%を超えている。
負のIODでは大陸の北西部から南東部にかけてが多雨になるが、WA州の南西部(South West Land Division)の広い地域で降雨量が平均中央値を超える確率は40%に満たない。
また、オーストラリアの広い範囲で最低気温が例年平均中央値を上回ることが予想されるが、異例なのは、大陸中央部の太平洋岸からインド洋岸までの帯域で最高気温が平均を下回ると予想されていることである。
2022年に入ってNSW州内陸部の農業地帯でも例年の旱魃がうそのような多雨が続いているが、NT北部は今年の雨季に雨が降らず、さらにこれから乾季に入るため、例年平均を上回る降雨量は望めそうにない。
このようなことから、オーストラリア大陸の農業地帯で例年平均をはるかに上回る降雨量を見たのは大陸中部から東部にかけての地域で、SA州南東部、WA州南西部ではこれからの雨季にようやく平均降雨量が期待できる程度となっている。
■ソース
BOM’s winter outlook signals yet more wet weather for the east, dry days further west