WA州の蒸留酒製造所ー麻薬成分なし
西オーストラリア(WA)州南部の町、デンマークにある蒸留酒製造所が、カナビス(大麻草)を香料として使用したジンを製造している。違法な麻薬成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)が入っていない大麻を使っている。公共放送ABC(電子版)が2日、伝えた。
大麻入りジンを製造しているのは、この町にある「カナビス・ボタニカル・ディスティラリー」。オーナーのマシュー・ビートン氏は、麻薬成分のない大麻草を敷地内の農場で栽培、収穫してジンを製造。地元のレストランや酒販店に卸している。
大麻入りの蒸留酒や醸造酒を作るメーカーは、オーストラリア国内で他にも例がある。ただ、七味の原料の1つでもあるヘンプシード(麻の種)を使った酒が主流。ビートン氏によると、「バッズ」と呼ばれる花穂を含む大麻全体を原料に使用するのは、国内でおそらく初の試みだという。
米・カナダではTHC入りの酒が商品化
オーストラリアでは医療用大麻は合法化されている。しかし、首都特別地域(ACT)で部分的に規制が緩和されているものの、連邦レベルでは麻薬成分が入った嗜好用大麻の所持・吸引は違法だ。左派の「グリーンズ」(緑の党)が、嗜好用大麻の解禁を政策に掲げているが、今のところ直ちに合法化される動きは見られない。
しかし、嗜好用大麻がオーストラリアで合法化された場合、ビートン氏はTHC入り飲料の製造に前向きだ。「その日が来れば、まずは(嗜好用大麻入りの)ノンアルコール飲料の製造を始め、それからアルコールとTHCのちょうどいいバランスを研究していきたい。でも今は違法だからできない」(ビートン氏)
一方、州によって嗜好用大麻が合法化されている米国やカナダではすでに、THCを含有するアルコール飲料が商品化、販売されている。
ワイン・ライターのフィリップ・ホワイト氏は、ABCに「THCなどの成分はアルコールによく溶けるため、製造方法は難しくない。米国やカナダでは大麻入りアルコール飲料が販売され、巨額の税収が生み出されている」と述べた。
酒と大麻の同時摂取は危ない?
だが、アルコールとTHCの相乗作用は危険だと指摘する声がある。
アルコールとTHCは、いずれも脳の機能に強く作用する。体の平衡感覚や反射能力、記憶に影響を与える。「いずれも非常にデンジャラスなドラッグだ」(ホワイト氏)
ヒトの身体に生理的な影響を与える複数の物質を同時に摂取するのは、例えアルコールやカフェインといった合法的な物質であっても、危険だという。
「ウォッカとレッドブルを混ぜたカクテル。あれはクレイジーだよ」(同氏)
■ソース
Australian distilleries turning over new leaf with foray into cannabis-infused liquor (ABC News)