政策金利0.85%−金融緩和の巻き戻し加速
中央銀行の豪準備銀(RBA)は7日の理事会後の声明で、政策金利を0.85%に引き上げると発表した。引き上げ幅は市場予想を上回る0.5ポイント。想定より早いペースで金融引き締めを加速させることで、急速に進行しているインフレの抑制に対処する姿勢を強く示した。
利上げは、11年ぶりに利上げ(0.25ポイント)に踏み切った5月に続き、2会合連続。政策金利は2020年初頭のコロナ感染拡大直前の水準(0.75%)を上回った。物価上昇を抑え込むため、コロナ禍で進めた未曾有の金融緩和を巻き戻す。
RBAのフィリップ・ロウ総裁は声明で「豪州ではインフレが加速している。他の先進国と比べると物価上昇のペースは低いものの、想定より早い速度だ」と指摘。インフレの主因として、コロナ禍のサプライチェーンの根詰まりやロシアのウクライナ侵攻といった外的要因を挙げた一方、供給制約や人手不足、年初の洪水などの国内要因も物価を押し上げているとの見方を示した。
その上で同総裁は「パンデミック中に豪州経済を支えた強力な金融緩和からの脱却をさらに加速させる。経済の力強い回復と高い物価上昇は、強力な金融緩和がもう必要ないことを示している」と、0.5ポイント利上げの理由を説明した。
■ソース
Statement by Philip Lowe, Governor: Monetary Policy Decision (Reserve Bank of Australia)