「国民食」ミートパイに迫る危機とは?

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小麦やエネルギー高騰で値上げやむを得ず

オーストラリア式のミートパイ(Photo: Wikipedia)

 オーストラリア人に気軽な軽食として親しまれているミートパイに、食糧やエネルギーの高騰を受けた値上げの圧力が忍び寄っている。25日付の公共放送ABC(電子版)が報じている。

 ミートパイをはじめとする小麦を使った食品は、今後数カ月以内に大幅な値上げが避けられない見通しだ。コロナ禍からの経済再開に伴うインフレで、電気・ガス料金や輸送費、人件費が上昇していることに加えて、ロシアのウクライナ侵攻で原料となる小麦が高騰しているからだ。

あらゆる仕入れ価格が上昇している

 ミートパイを焼いて店頭で売る各地のベーカリーは、食材仕入れ価格の上昇を販売価格に転化せざるを得ない状況だという。

「1個当たり20セント値上げした。今のところはできる限り追加の値上げをしないで済むように努めている。サプライヤーは卸売価格を引き上げているが、(値上げすると)お客さんにとっては辛い。(仕入れ価格が上がると)私たちも苦しい」(クイーンズランド州トゥウーンバのベーカリー経営者)

「小麦粉からひき肉まですべての食材が上昇しているので、近く値上げに踏み切る。過去5年間値上げしていないけれど、コロナ禍と干ばつで値上げせざるを得ない状況になった」(クイーンズランド州ロングリーチのベーカリー経営者)

小麦価格は1年で75%高くなった

 小麦価格が高騰しているのは、ロシアによるウクライナ侵攻の影響だ。ロシアとウクライナは合計で世界の小麦貿易の約30%のシェアを占めるが、戦争で黒海の主な輸出港が封鎖され、供給が止まった。

 小麦の需給はひっ迫しており、小麦の指標価格は昨年6月の1トン当たり320ドルから今年6月には561ドルまで上昇した。高騰しているのは小麦だけではない。ひまわり油の約50%、大麦の約20%の世界貿易量をウクライナ産が占めており、影響は食糧全体に波及している。

■ソース

Global wheat shortage may cause meat pie price rise as cost of living continues to bite (ABC News)

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