遠隔地のスーパーで異常な物価高
25日付の公共放送ABC(電子版)は、北部準州(NT)の遠隔地が異常な物価高に見舞われていると報じている。普段から輸送コストが高い上に、世界的な供給制約や洪水、燃料高、エネルギー高騰などで仕入れコストが急上昇しているという。
ダーウィンの東約600キロに位置するラミンジニン。約900人が住む遠隔地の小さな村のスーパーは、ネスカフェのインスタントコーヒー缶1キロ入りを74.25豪ドル、小型の容器に入った生クリームを8豪ドル、粉ミルクを10.25豪ドルで販売している。
この店を含むチェーンを運営する会社の広報担当者によると、昨年の同じ時期と比べて四半期当たり25万豪ドル多く輸送コストを支払っているという。担当者は「あらゆる面でコストが上昇している。最低賃金の引き上げで人件費の負担も100万豪ドル増える」と話し、小売価格に転化せざるを得ないと説明した。
半径400キロ以内で唯一の小売店だというNT西部ワデーのスーパーは、コーンビーフ缶を1個15豪ドルで販売。生鮮野菜や果物は原価割れだという。
この店は過去10年値上げをしてこなかったが、急激なインフレで耐えきれなくなった。同店のマネジャーは「仕入れコストをなんとかカバーするだけという水準までコストが上がってしまった。値上げしたいのではなく、せざるを得ない」と述べた。
なお、豪統計局の3月四半期の物価統計によると、全国平均で食品の価格は1年前と比べて4.3%上昇した。品目別では生鮮野菜が6.7%、精肉が6.2%それぞれ上がっている。
■ソース
Remote Northern Territory food prices skyrocket, worries for health of communities (ABC News)