最低賃金や紛争解決の仕組みなど
配車・宅配サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズの豪州法人と、運輸労働組合(TWU)が28日、運転手や配達人などのいわゆる「ギグワーカー」の労働条件に関する協定に署名した。29日付の公共放送ABC(電子版)が伝えた。
ウーバーとTWUは、最低賃金などのセーフティーネット(保障制度)、労使紛争を解決する仕組み、ドライバーの利益を代表する団体の創設などで合意した。
ウーバー・オーストラリアのドン・テイラー取締役社長は「配車やオンライン宅配サービスのドライバーの独立した仕事の質を向上させたい」と述べ、今回の合意はギグワーカーの柔軟なライフスタイルと労働条件の保護を両立したものだとの考えを示した。
TWUのマイケル・ケイン氏は「豪州の労働法は時代に即していない。(一般の)被雇用者であれば、私たちが長年勝ち取ってきた権利をすべて享受することができる。しかし、個別の契約で働いている労働者は、たとえその仕事に大きく依存していたとしても、権利や労働条件に守られることがない」と指摘した。
ギグワーカーは、フルタイムやパートタイム労働者ではなく、個人事業主として配車・宅配サービス会社と契約している。既存の労使関係法が適用されないケースが多いため、賃金や労働条件をめぐって各国で訴訟が起きている。豪州でも劣悪な労働環境が問題になっていた。
■ソース
Landmark gig worker protection agreement struck between Uber and Transport Workers’ Union (ABC News)