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冴えない株価 上期の豪指数は12%下落

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昨年8月の史上最高値から14%調整

出典:Investing.com

 インフレと金融引き締めで先行きに不透明感が漂う中、豪州株は年初来2ケタ以上下落して新年度を迎えた。シドニーの豪証券取引所(ASX)の代表的な株価指数「S&P/ASX200」は6月30日、昨年12月31日の終値比で11.8%下落。冴えない成績で上期を締めくくった。

 同指数は、昨年8月13日に付けた史上最高値(終値ベース)から14.3%低い水準(7月1日時点)まで下げた。直近の高値からの下落率が10%以上と定義される「調整局面」が続く。

インフレと利上げ、株価に逆風

 株価に逆風を吹かせている最大の要因は、止まらないインフレの嵐だ。背景には、コロナ禍からの経済再開や、サプライチェーンの目詰まり、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー・食糧の高騰がある。インフレには、株価が割高か割安かを判断する指標となるバリュエーション(企業価値評価)を下げる作用がある。

 直近3月四半期の豪消費者物価指数(CPI)は、前年同期比5.1%増まで上昇。豪準備銀(RBA)がより重要視する「トリム中央値」も3.7%と、インフレ目標の2〜3%を大幅に上回った。RBAのロウ総裁は、今年12月四半期までにCPIが7%前後まで上昇する可能性があるとの見通しを示す。

 また、止まらないインフレを抑えるために、RBAがコロナ対策の大規模な金融緩和を巻き戻し、利上げを急いでいるのも、株価を下押しする要因となっている。政策金利に連動して市中金利も上がることから、企業の資金調達コストが増大するとともに、住宅ローン金利の上昇などで消費を冷え込ませる可能性も高まるためだ。

 RBAは2月に量的緩和を終了。5月には12年ぶりの利上げ(0.25ポイント)に踏み切り、金融引き締めに舵を切った。続いて翌6月には、異例の0.5ポイントの利上げを行い、政策金利を0.85%としている。

米株は52年ぶり下げ幅、豪・日はまだマシ

 豪州株の下落は、世界的な株安を受けた動きだ。米投資情報サイト「インベスティング・ドット・コム」によると、世界最大の株式市場である米ニューヨーク市場の代表的株価指数「S&P500」は年初来20.6%下落(グラフ)した。上期としては、1970年(21.0%下落)以来、実に52年ぶりの下げ幅を記録。直近の高値から20%以上の下落とされる「弱気相場」に入っている。

 米国株に比べると、2ケタ台とはいえ豪州株の下落幅はまだ緩やかな水準。一方、東京市場の日経平均株価は、年初来8.3%の下落にとどまっている。

■ソース
Investing.com

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