ダム放水開始、ネピアン川流域で水位上昇
豪東海岸沖で発達中の低気圧の影響で、洪水の危険が高まっているシドニー都市圏では、数千人に避難勧告が出ている。公共放送ABC(電子版)が伝えた。
ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州東部一帯では3日、振り始めからの雨量が200〜350ミリに達した。一部のエリアでは、24時間の雨量がすでに7月1カ月間の平均雨量を超えた。
シドニー都市圏に水道水を供給している北西部ワランガンバ・ダムでは3日午前2時、予想より早く最高水位を超えたため放水を開始。下流のネピアン川(Nepean River)流域では水位が上昇しており、洪水の危険が高まっている。
ネピアン川では、今年3月〜4月の大規模な洪水時を上回る16.61メートルの最大水位を記録した。ネピアン川の下流に位置する北西郊外ノース・リッチモンド(North Richmond)や、ホークスベリー川(Hawkesbury River)流域、コロ川(Colo River)流域などでは、洪水警報が発令されている。
南西郊外のジョージズ川(Georges River)でも、複数の地点でまもなく洪水警戒水位を超える見通しだ。
「すぐに避難の準備を」
3日午後3時の時点で、NSW州緊急事態サービス(SES)が避難勧告を発令しているのは次のエリア。◇キャムデン(Camden)、◇チッピング・ノートン(Chipping Norton)、◇ジョージズ・ホール(Georges Hall)、◇ムーアバンク(Moorebank)、◇ワーウィック・ファーム(Warwick Farm)、◇ウォロナラ(Woronara)、◇ベンツ・ベースン(Bents Basin)、◇プレジャー・ポイント(Pleasure Point)、◇ワラシア(Wallacia)
NSW州のステフ・クック緊急サービス相は「私たちは、鉄砲水、川の氾濫による洪水、(大波による)海岸の侵食という複数の危険に直面している。洪水の危険が高い地域にいる人はすぐに避難を開始できるように準備して」と警告した。同相は、気象局(BOM)とSESの警戒情報に引き続き注意するよう呼びかけている。
BOMの予報によると、低気圧は24時間以内に勢力を強めて南下し、シドニーや北方のハンター・コーストに接近する見通し。今後、雨や風がさらに強まる恐れがあるとして、樹木の倒壊や停電にも備えるよう呼びかけている。
これまでの24時間、SESには1,400件以上の救助要請があり、900人以上のSES隊員が出動。洪水からの救助件数は29件に達しているという。
■ソース
Greater Sydney facing ‘life-threatening emergency’ weather event as thousands told to evacuate