エコノミスト22人が経済の先行き予想
非営利目的の豪独立系メディア「カンバセーション」はこのほど、豪州の著名エコノミスト22人を対象に実施した「2022/23年度版経済予測調査」の結果を公表した。
これによると、「豪州が2年以内にリセッション(景気後退=2四半期連続のマイナス成長)入りする確率」の平均値は20%だった。調査対象者の中で最も高い確率は55%、最も低いのは1%だった。
豪州の金利や金融市場に大きな影響を与える米国のリセッション確率の平均値は40%。最高は80%、最低は5%となった。
豪州では現在、加速するインフレと急な利上げが景気を冷え込ませ、インフレとリセッションが同時進行する「スタグフレーション」の懸念が広がっている。だが、エコノミスト予想の平均値を見る限り、豪州がリセッション入りするリスクは米国より低いようだ。
インフレは7.1%でピークアウトか
消費者物価指数(CPI=直近22年3月四半期は5.1%)の平均値は、22年6月期が6.7%、23年6月期が4.8%。インフレのピークの平均値は7.1%だった。
豪準備銀(RBA)の政策金利(現在0.85%)の平均値は、22年12月が2.2%、23年6月が2.6%となった。今回の利上げサイクルにおける金利の上限の平均値は3.1%だった。
しかし、調査対象の1人であるRBA元理事のウォーウィック・マキビン氏は、政策金利が23年3月までに4.5%まで引き上げられるとの観測を示した。
カンバセーションは同調査を毎年実施しており、今回が4回目。ウエストパック銀のビル・エバンス氏やニュー・サウス・ウェールズ大学(UNSW)のリチャード・ホールデン教授ら、豪州の学界や金融業界を代表するエコノミストを対象に、物価や金利、経済成長、金融市場などの経済指標に関する予測を聞いた。
■ソース