中銀、加速するインフレ抑制図る
中央銀行の豪準備銀(RBA)は5日、金融政策を決定する理事会を開き、政策金利を0.85%から1.35%に引き上げた。加速するインフレを抑制するため、6月に続いて2会合連続で異例の0.5ポイント利上げに踏み切った。
RBAのフィリップ・ロウ総裁は利上げの理由について、世界と国内でインフレ圧力が高まっていることを挙げた。同総裁は声明で「コロナ禍からの供給制約、ウクライナの戦争、生産能力に圧力を与える力強い需要を背景に、世界的にインフレ圧力が高まっている」と述べた。
豪州のインフレについては、こうした世界的な要因による影響が大きいものの、強い需要や人手不足、一部の業界での生産能力への圧力、直近の洪水といった国内要因も寄与しているとの見方を示した。
今後数カ月にわたって利上げを継続
同総裁は今後のインフレ動向について、今年末までに天井を打ち、来年には2〜3%の目標の範囲内まで低下すると予想した。世界的な供給制約が引き続き落ち着き、コモディティー(商品)価格も安定していくと予想した。依然として高い水準は続くものの、インフレは次第に和らいでいく見込みだという。
RBAはこれまで、今年12月四半期までに消費者物価指数(CPI)が7%前後まで上昇するとの予測を示している。
景気については、失業率が3.9%(5月)と過去50年間で最低の水準にあり、雇用市場がタイト(引き締まった状態)であることなどから、「引き続き力強い回復を続けている」との認識を示した。経済成長への影響が大きい個人消費については、「直近の統計データは良好だが、家計の生活費は物価高と金利の上昇による圧力にさらされている」として、先行きは不透明との見方を示した。
その上で、「本日の利上げは、パンデミックによる豪州経済への打撃を和らげるために実施した大規模な金融緩和から、さらに一段と離脱するステップとなるものだ」と指摘。「今後数カ月にわたって金融市場の正常化に向けて追加の行動を取る」として、今後も利上げを継続する意思を示した。
■ソース
Media Release – Statement by Philip Lowe, Governor: Monetary Policy Decision