取得金額は49億豪ドル 認可まで1年程度かかる見通し
豪北東部クイーンズランド(QLD)州ブリスベンに拠点を置く保険・銀行大手、サンコープは18日、豪4大銀行の1つであるオーストラリア・ニュージーランド・バンキング・グループ(ANZ銀=本社ビクトリア州メルボルン)による買収提案を受け入れると発表した。同日付の公共放送ABC(電子版)が報じた。
買収金額は49億豪ドルと伝えられている。ANZ銀が買収するのはサンコープの商業銀行部門のみ。中核事業である保険部門は、引き続きサンコープが運営する。
ただ、買収案をめぐっては、豪競争消費者委員会(ACCC)や連邦財務相の認可が必要となる。加えて、過去にQLD州営企業などが合併してできたサンコープを売却するには、QLD州法の改正も必要となる。買収が実現したとしても1年程度の時間がかかる見通しだ。
メルボルンに拠点を持つANZ銀は、全国に展開しているが、収益の柱である住宅ローン事業では他の大手銀3行の後塵を拝している。QLD州に強い基盤を持つサンコープを買収することで規模の拡大を図り、ライバル3行を追撃する。
ANZ銀の住宅ローン貸付残高は現在、4大銀行の中で最下位。しかし、買収が実現すればナショナル・オーストラリア銀(NAB)を抜いて3位に浮上すると見られる。ANZとサンコープの住宅ローン貸付残高は合計3,070億豪ドルとなり、ANZのシェアは15.4%に上昇する。
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