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温室効果ガス43%削減の法案を上程 上院で主導権握るグリーンズは反対

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連邦労働党政権、削減目標を法案に明記

クリス・ボウエン連邦気候変動相

 連邦労働党政権は27日、豪州の温室効果ガス排出量を2030年までに2005年比で43%削減する目標を明記した法案を連邦議会に提出した。ただ、上院で法案通過のキャスティングボートを握る野党グリーンズ(緑の党)が、より強力な温暖化対策を求めて同法案に反対しているため、法案が通過・成立するかどうかは不透明だ。

 同日付の公共放送ABC(電子版)によると、法案を上程したクリス・ボウエン連邦気候変動相は「2030年まで89カ月間しかない。この目標を達成するまでに残された時間は少ない」と発言。保守連合の前政権が気候変動対策のための行動に時間を無駄にしてきたとの認識を示した。

 豪州の前保守政権は「2030年までに26〜28%削減」との目標を掲げていた。5月の連邦選挙で9年ぶりに政権を奪回した労働党は「43%削減」というより踏み込んだ目標を公約。これを法律に明記することで、再エネ投資家や国際社会に対して、気候変動対策をめぐるより強いメッセージを発信できると考えている。

 しかし、労働党は下院で1議席差ながら過半数を制したものの、上院(定数76)の議席数は労働党が26、保守連合が32と2大政党がいずれも過半数に満たない状態が続いている。このため、保守連合が法案に反対した場合、成立させるには上院で12議席を握るグリーンズとその他の少数勢力から最低1人の支持を取り付ける必要がある。

 ところが、グリーンズは「2030年までに75%削減」、「石炭・天然ガス新規開発の即時停止」といったより厳格な目標を主張。43%削減を目指しつつ、石炭・天然ガス新規開発を容認している労働党政権の気候変動対策は「手緩い」として、法案には反対の姿勢を表明している。

 ボウエン気候変動相は、否決された場合は法案を廃案にするとしており、政府案で決着を付けるよう野党に呼びかけている。

■ソース

Climate bill to write 43 per cent emissions target into law introduced to parliament (ABC News)

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