過去6カ月間で初めて低下 豪不動産協会
直近のコロナ変異種の感染拡大を受けて、豪主要都市の中心部(CBD)では、オフィス入居率が再び下落傾向に転じている。公共放送ABC(電子版)が報じた。
豪不動産協会の統計によると、6月のオフィス入居率はメルボルンが前月の49%から38%に、シドニーが55%から52%に、ブリスベンが64%から53%に、アデレードが71%から64%にそれぞれ低下した。
入居率が上昇したのは、キャンベラ(53%から61%に)とパース(65%から71%に)の2都市だけだった。
豪不動産協会によると、オフィス入居率は過去6カ月間で初めて下落に転じた。主な要因は、コロナのオミクロン株の変異種やインフルエンザの流行で、リモートワークを行うオフィス従業員が再び増えているからだという。
在宅勤務は良いことばかりではない!?
同協会のケン・モリソン代表は「このところ、オフィスに復帰する従業員が増えていたが、6月はこの傾向が逆戻りし、ほとんどの州都で入居率が下落した」とコメント。オフィス入居率が下がると、オフィスワーカーに依存しているカフェなどの事業者が打撃を受けるため、政府がリモートワークを推奨することによる「(経済的な)代償はゼロではない」という。
コロナ禍をきっかけに、一定の割合で浸透した在宅勤務。若い世代やチームワークにとっても、困難な側面はある。
商業不動産大手CBRE資本市場調査部のトム・ブロデリック部長は、オフィスで働く人が少ない状況について「ともに働くことの意義が破綻している。若い新卒生は(先輩の仕事を通して)仕事を繰り返し身につける必要がある。大多数が在宅勤務をしていると、その効果が完全に失われる。チームの20〜30%しか出社していない状況で、オフィスに来ることに意味があると考えるだろうか」と警鐘を鳴らしている。
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