製造元のジョンソン・エンド・ジョンソンが発表
米国の医薬品製造・販売大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは来年までに、豪州で滑石(タルク)を原料としたベビーパウダーの販売を中止する。発がん性が指摘されているタルクの使用を止め、トウモロコシ由来のコーンスターチに変更する。同社の広報担当者が公共放送ABC(電子版)に明らかにした。
タルクは珪酸塩鉱物の一種で、ベビーパウダーなどの化粧品や医薬品、チョーク、食品添加剤などに使用される。しかし、発がん性物質のアスベストが混入しているとの指摘がある。商品を使用してがんを発症したなどと主張する消費者から、約3万8,000件の損賠賠償請求訴訟を起こされていた。
ジョンソン・エンド・ジョンソン側は、長年の科学的な実験結果を根拠に、同社のタルクはアスベストを含有しておらず、安全だと反論してきた。
しかし、相次ぐ訴訟を受けて需要が縮小したため、2年前に米国でタルク入りのベビーパウダーの販売を停止。今回、豪州を含む世界市場全体で、コーンスターチを使った商品に全面的に置き換えることになった。