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サメに襲われた親友を命がけで助ける

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海に飛び込んで引き上げ 止血して岩場をおんぶして2キロ歩く

ホオジロザメ(写真はイメージ)(Photo: Gerald Schombs on Unsplash)

 サメに襲撃された友達を助けるために、命を賭けて海に飛び込める人はどれだけいるだろうか?

 西オーストラリア(WA)州南部アルバニーの海中で15日、銛で魚を捕まえる「スピアフィッシング」を楽しんでいた10代の少年がサメに襲われたが、同行していた親友に助けられ、九死に一生を得る事故があった。少年は両足の3カ所に裂傷を追ったが、搬送先の病院で治療を受け、回復に向かっている。公共放送ABC(電子版)が報じた。

 サメに襲撃されたのは、地元に住むルーク・パスコーさん(17歳)。アルバニーの南に位置するグード・ビーチに近いミステイクン島の沖でスピアフィッシングをしていたところ、「体長5メートルのホオジロザメ」(パスコーさんの証言)と見られるサメに足を噛みつかれた。

 岸からその様子を見ていたのは、親友のコナー・シャーリーさん。命がけですぐに海に飛び込み、パスコーさんを抱えて岩場まで引き上げた。そこで、ダイビング用のベルトをパスコーさんの足に巻きつけて止血し、2キロ離れた駐車場までおんぶして運んだ。そこからアルバニーの病院に車で搬送したという。

「サメが悪いんじゃない」

 パスコーさんは「ぼくの命は彼(シャーリーさん)のおかげで助かった。(病院の)ベッドの上で『まだここで生きているのはなんてラッキーなんだ』って思った。」と話した。足の傷はまだ痛むが、様態は良好だという。

 深さ10メートルの海中で、魚を銛で付いて捕まえていたパスコーさん。魚の血の匂いが、サメを誘ったことは承知している。「(襲われたのは)サメのせいじゃない、ぼくが悪いんだ」(パスコーさん)

 一方、命を投げ出して友人を助けたシャーリーさんは「学校で習った応急措置の方法が役に立ったよ。彼を海中から引き上げた時、血が吹き出していたんだ」と話した。

 オーストラリアの各州では、ホウジロザメなどの人を襲う危険なサメは、生物多様性の観点から保護動物に指定されている。サーファーなどに対するサメの襲撃が頻発したニュー・サウス・ウェールズ州北部バリナでは、サメの保護を主張する環境保護派と、人の命を守るべきだと訴える勢力が真っ向から対立し、町を二分する大論争となったケースもある。

 いずれにせよ、サメの個体数が多い豪州南部の海岸や、サメが集結する増水した河口付近のビーチでは、素潜りやサーフィンなどの入水は絶対に避けるべきだろう。

■ソース

Best mate saves teen’s life after shark attack near Mistaken Island off Albany coast(ABC News)

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