モリソン前首相の閣僚重複兼任問題が影響か
最新の世論調査で、連邦労働党の支持率が急上昇している。党首別の支持率でも、アンソニー・アルバニージー首相の高い人気に対して、ピーター・ダットン自由党党首(保守連合代表)の不人気ぶりが浮き彫りになっている。
22日付の豪メディア大手フェアファクスが発行するリベラル系2紙(シドニー・モーニング・ヘラルド、エイジ)が掲載したリゾルブ・ストラテジックの世論調査(21日実施)によると、各政党別の支持率で労働党は42%と連邦選挙直前の5月17日に行われた前回調査から11ポイント上昇した。保守連合(自由党、国民党)は28%と6ポイント下落した。グリーンズ(緑の党)は12%と2ポイント下がった。
また、「どちらのリーダーが首相にふさわしいか?」の設問では、労働党のアルバニージー首相が55%と19ポイント上昇。ダットン自由党党首は17%にとどまり、前回調査時のスコット・モリソン首相(当時)の40%と比較して23ポイント低下した。
一方、保守系の全国紙「オーストラリアン」(7月31日付)が掲載した2大政党別の支持率では、労働党は56%と選挙直前の5月20日の調査から3ポイント上昇。保守連合は44%と3ポイント低下した。
リーダー別の支持率では、アルバニージー首相が59%(17ポイント上昇)、ダットン党首が25%(モリソン氏と比較して17ポイント下落)、「分からない」が16%(前回と同じ)だった。
アルバニージー首相は、5月の就任式の直後に訪日して日米豪印の枠組み「クアッド」首脳会議に出席し、7月の欧州歴訪時にはウクライナを電撃訪問するなど外交面を中心に得点を重ねている。一方、5月の選挙で敗北して下野した保守連合は足元で、モリソン前首相が秘密裏に5閣僚を重複して兼任していた問題で打撃を受けており、支持率低下につながった可能性がある。
■ソース
Post-election surge in support for Anthony Albanese’s new Labor government(Sydney Morning Herald)