短期渡航者数、コロナ前の4分の1の水準にとどまる
オーストラリアが今年2月にコロナ水際対策の国境封鎖を解除し、外国人に門戸を開放してから6カ月。海外からの短期渡航者数は徐々に増えているものの、コロナ前のピーク時と比べると約4分の1の低水準となっている。
豪統計局(ABS)がこのほど発表した統計によると、6月の海外からの短期渡航の入国者数は27万5,300人と前月比で18.9%増えた。国境再開前の今年1月(6万760人)からは4.5倍に増えている。しかし、コロナ感染拡大前のピークだった2019年12月(107万7,720人)の25.5%の水準にとどまっている。
オーストラリアの外国人観光客市場がコロナ前の活況を取り戻すまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
ワーホリ旅行者の回復も遅い
外国人観光市場はオーストラリア経済にとって有力な輸出産業の1つであるとともに、滞在しながら就労もできるワーキング・ホリデー(ワーホリ)旅行者は国内の接客・飲食業や農業にとって重要な労働力でもある。しかし、ワーホリ旅行者の回復も遅れている。
連邦内務省が公共放送ABC(電子版)に明らかにしたところによると、現在、1万3,700件のワーホリ・ビザ申請が保留されている。また、7万60人のワーホリ・ビザ保持者が海外に踏みとどまり、オーストラリアへ入国しないでいる。このため、合計約8万4,000人のワーホリ旅行者が落とす金と労働力を失っている計算になる。
ワーホリ旅行者の渡航が遅れている理由としては、航空便の選択肢が少なく航空券のコストが高止まりしていること、政府のビザ認可作業が遅延していること、もともと渡航者が多かった日本などでコロナ規制が続いていること、などが挙げられるという。
■ソース
Overseas Arrivals and Departures, Australia(Australian Bureau of Statistics)