北部準州の生産者が悲鳴
マンゴーの収穫シーズンを迎えたオーストラリアの北部準州(NT)では、人手不足で必要な労働力が足りず、生産者が頭を抱えている。公共放送ABC(電子版)が伝えた。
今年のマンゴーは豊作で、NT全体で約3,000人の季節労働者が必要と見られている。しかし、コロナ禍の国境封鎖の影響が残り、ワーキング・ホリデー(ワーホリ)旅行者などの外国人労働者が足りない。その上、記録的な低失業率を背景に、国内でも労働者が見つからないという。
ダーウィンに近い農場でマンゴーを生産しているレオ・スクリロスさんは「国内に十分な数の労働者がいないのだと思う。今日中に50人確保したかったが18人足りない。来週はさらに90人雇わないといけないが、50人見つけるのも一苦労だ」とABCに語った。
NT農業者連盟のポール・バーク代表は「この状態では、十分に収穫できないだろう。トラック運転手も、箱詰め作業の労働者も、収穫作業の労働者も十分に確保できない。(人手不足は)供給網全体の問題であり、早急な対策が必要だ」と述べた。
同代表は、農場内に季節労働者用の宿泊施設を提供する生産者への税優遇措置、太平洋諸国の労働者への出身国での職業訓練、農業労働者を供給する国を拡大すること、などの対策を挙げている。
労働党の現政権は、前保守政権が導入したものの効果がなかった外国人農業労働者ビザ制度を廃止。約4万人の労働者を太平洋諸国から呼び寄せる方針を打ち出している。