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40年前に妻殺害、元ラグビー・リーグ選手に有罪判決

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妻の失踪直後、同居した10代愛人を「奴隷のように扱った」

ドーソン被告に有罪判決を下したシドニーのニュー・サウス・ウェールズ州最高裁判所(Photo: Wikipedia)

 今から40年前に妻を殺害したとして殺人罪に問われた元ラグビー・リーグ選手で元教師のクリス・ドーソン被告(74歳)に対し、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州最高裁は30日、有罪判決を言い渡した。公共放送ABC(電子版)が伝えた。

 事件が発生したのは1982年1月。ドーソン被告はラグビー・リーグを引退後、シドニーの北部海岸で教師をしていたが、妻のリネット・ドーソンさんが失踪。その3日後、ドーソン被告は以前から性的関係を持っていた教え子のジョアン・カーティスさん(当時16歳)と同居を開始した。ドーソン被告はリネットさんの行方が分からなくなってから6週間後の82年2月、妻の失踪を警察に届け出た。ドーソン被告はカーティスさんと84年に結婚したが、93年に離婚している。

 リネットさんは、その後も行方不明のままだ。2001年と03年に2度行われた捜査では、いずれもリネットさんは死亡しており、知り合いによって殺害された可能性が高いと結論付けた。ドーソン被告は18年12月にリネットさんを殺害した疑いで逮捕されたが、犯行を一貫して否認していた。

決め手は証言と状況証拠のみ

 公判は陪審員を参加させずに行われた。リネットさんの遺体が見つかっていないため、状況証拠と関係者の証言のみによる司法の判断が注目された。検察側は、ドーソン被告が当時10代の愛人と自由な関係を持つために妻を殺害したと主張。ドーソン氏の弁護側は、リネットさんが家族を捨てて失踪したと指摘していた。

 一方、再婚相手のカーティスさんは、ドーソン被告に調教され、リネットさんの失踪後は奴隷のように扱われたと指摘。ドーソン被告がかつて妻を殺害するためにヒットマンを雇うことを目論んでいたと証言した。

 イアン・ハリソンNSW州最高裁判事は判決で、弁護側の仮説を拒否できる「抗しがたい」証拠があると判断した。同判事は「リネットさんは家族と子どもを愛していた。信頼できる証言から、リネットさんは夫を愛していたことも明らかだ。(家族を捨てて)失踪するという決意を起こした公算はきわめて低い。彼女は何も持たずに姿を消した。長期間、生活を続け、行方を分からなくするための経済的な余裕はなかった」と述べ、リネットさんに失踪の動機がなかったと認定した。

 その上で、同判事はすべての状況証拠からリネットさんは82年1月8日、ドーソン被告による意図的な行為によって殺害されたと結論付けた。

 判決に対して、ドーソン被告のグレッグ・ウォルシュ弁護士は「(ドーソン被告は)判決にショックを受けている。控訴する可能性があると確信できる。ドーソン被告はこれまでも今も、嫌疑に対して完全な無実を強く主張しており、今後も無実を訴えていく」と語った。

■ソース
Chris Dawson found guilty of murdering wife Lynette Dawson(ABC News)

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