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あと数年でオーストラリアの電力が足りなくなるって本当?

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「再エネ移行には送電網への十分な投資が必要」と官民共同機関

Photo: Wikipedia

 オーストラリアでは、今後計画されている石炭・ガス火力発電所の運転停止により、現状のままでは電力供給が足りなくなりそうだ。連邦政府と各州政府、民間のエネルギー企業で構成する公的機関「オーストラリア・エネルギー・マーケット・オペレーター」(AEMO)が31日、今後10年間の電力需給に関する報告書で見通しを明らかにした。

 AEMOの予測によると、国内最大の人口を抱える東部ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州で2025/26年度に、南部ビクトリア(VIC)州で28/29年度に、北東部クイーンズランド(QLD)州で29/30年度に、南オーストラリア(SA)州で31/32年度に、それぞれ電力供給の信頼性が基準を下回る見通しという。

 AEMOのダニエル・ウェスターマン最高経営責任者(CEO)は「多くの石炭・ガス火力発電所の運転停止が計画されていることと、新たな発電能力を確保する取り組みが不十分であることにより、(電力供給の)信頼性が失われている」と指摘した。

 今後10年間に全豪で少なくとも5カ所の火力発電所が運転を停止することから、全国エネルギー供給網(NEM)全体の約14%に当たる8.3ギガワットの発電能力が失われるという。

 同CEOは「さらなる投資が行われなければ、(火力発電所の停止による発電能力の低下は)電力供給を低下させ、送電システム全体の安定と信頼できる基準を危機にさらすことになる」と警告。すべての地域で信頼性の基準を満たすためには、3.4ギガワット分の新規発電能力の創出、電力備蓄プロジェクトの推進、送電網の改変が必要だと指摘している。

 AEMOは「今後も引き続き、送電網への十分な投資に支えられた、発電システムの石炭から再生可能エネルギーへの移行を、連邦・州政府や公的機関、電力産業、地域社会と協力して進めていく」としている。

■ソース

Critical investment needed to manage reliability gaps(AEMO Media Release)

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