止まらないインフレ抑制へ追加利上げ
中央銀行の豪準備銀(RBA)は6日、金融政策を決める理事会を開き、加速するインフレを抑えるため、追加利上げを決定する見通しだ。理事会終了後の同日午後2時30分に発表し、翌日実施する。市場では、4会合連続で政策金利を0.5ポイント引き上げ2.35%とするとの観測が高まっている。
豪大手銀のウェストパック銀と同コモンウェルス銀は5日、いずれも引き上げ幅を0.5ポイントと予測した。RBAは通常、0.25ポイント刻みで金利を操作するが、通例の2倍のペースで0.5ポイントの利上げをこれほどの急ピッチで実施するのは、きわめて異例。背景には、インフレに対する強い危機感がある。
RBAは2020年、コロナ禍の景気悪化を最小限に食い止めるため、前例のない大規模な金融緩和を実施した。政策金利を0.1%まで引き下げるとともに、国債買い入れを含む豪史上初の量的緩和を行った。
しかし、手厚いコロナ経済対策や金融緩和による金余り現象、世界的な供給網の目詰まり、ロックダウン(都市封鎖)からの経済再開、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー・食料の高騰などの複合的な要因が重なり、昨年末から今年にかけて、物価上昇の勢いが止まらなくなった。豪消費者物価指数(CPI)の前年同期比の上昇率は、21年12月期3.5%、今年3月期5.1%、直近の今年6月期6.1%と加速する一方だ。
物価上昇にブレーキをかけるため、RBAは今年5月、2010年以来約12年ぶりとなる利上げに踏み切り、政策金利を0.25ポイント引き上げた。続いて、6月、7月、8月と3会合連続で0.5ポイントの利上げを行い、同金利を1.85%としていた。
■ソース