隣接するNSW州と合意 一体で宅地開発
オーストラリアの首都キャンベラがある首都特別地域(ACT)の面積が、拡大することになった。隣接するニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州側の農地を宅地開発のためにACTに編入する。ACTのアンドリュー・バー主席大臣とNSW州のドミニク・ペロテ州首相が合意した。
16日付の公共放送ABC(電子版)によると、ACTとNSW州境の変更は1911年以来初めて。オーストラリアでは、幅広い自治権を持つ州が、他州に土地を明け渡すケースは珍しい。
NSW州からACTに編入されることが決まったのは、北西部の州境に面した330ヘクタール(3.3平方キロ)の農地。ACT側の南側の土地と一体で住宅地として開発する計画。この土地は河川に囲まれているため、陸路のアクセスはACT側からのみに限られており、宅地化すれば住民への行政サービスに混乱が生じる可能性があった。
昨年、ACT政府はNSW州からこの土地を購入するとともに、バー主席大臣がペロテNSW州首相に書簡を送り、州境の変更を要請していた。既に土地を購入していることから、ACT政府からNSW州政府への追加の支出はないという。
専門家によると、州境見直しの背景には、キャンベラの都市化で宅地開発が郊外に広がっていることがある。コロナ禍の州境封鎖で自由な移動が制限されたことも、今回の決定に影響した可能性があるという。
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